2018.07.07
分析化学応用学科の応用分析化学実験では、様々なものを分析する技術を学びますが、
本日は高分子材料の分析に挑戦しました。
これまでにも、河川水、金属材料、食品、化粧品、医薬品、さらにはDNAなどの分析
技術を学んできましたが、今回はラップフィルムなどの身近な高分子材料の構造を分析
する方法を学びました。
まずは、このように幅広い分析技術を修得できる「分析化学応用学科」について、
ご紹介します。
「分析化学応用学科」は、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を
対象とした週末(土曜・日曜)開講の学科です。
この学科では、平日の学科で学ぶ環境・材料・バイオ・食品・医薬品
・化粧品・有機合成等の専門分野を総合的に学ぶことができ、
多種多様な分野に応用が利く人材の育成を行っています。
また、週末だけの通学ですが、以下は平日の学科と同様です。
・2年間で卒業が可能
・毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者
の国家資格を卒業と同時に無試験で取得することが可能
この学科に在籍している学生は、入学目的も様々です。
事業の継続や拡大に必要な国家資格の取得を目的とする経営層の方、
現職でのスキルアップや技術職への就職・転職を考えている方、
さらに就職活動を見据えて技術力を高めるために大学生も入学してきます。
このような多様な目的に対応するため、学年定員20名の少数精鋭で開講しており、
学生一人一人に合った指導を行っています。
本日の実験では、食品用ラップフィルムや卵パックなどの身近な高分子材料の構造を
分析するだけではなく、簡単に作ることができる高分子材料を自分たちで作った上で、
でき上がった高分子材料の構造を分析する、といった実験も行いました。
今回自分たちで作った高分子材料は発泡ウレタンとポリ乳酸です。
発砲ポリウレタンは住宅の断熱材や防音材に使用されていて、ホームセンターでも
売られている私たちにとって身近な高分子材料の1つです。
ポリ乳酸は植物由来の環境にやさしいプラスチックで、石油由来のプラスチックに
代わる高分子材料として注目を浴びており、食品用トレイや家電製品のパーツなどに
使われています。
今回は、これらの高分子材料の構造を赤外分光光度計(IR)という分析機器を用いて
調べました(下の写真)。
上の写真は本日、2年生たちが実際に作った発砲ウレタンです。
IRを用いて構造を分析することで、自分たちが作った高分子材料が
思っていた通りにできているか、調べることができます。
長年公的研究機関で研究業務に従事されていたM井先生から分析機器の原理、
使用方法、データの読み取り方などの詳しい説明があり(上の写真)、
学生たちは真剣にその説明を聞きながら、手際よくデータを取っていました。
学生たちに今日の実験の感想を聞いてみると、
「以前から高分子に興味があったので、実際に作ることも経験できて、
とてもうれしかったです。詳しく先生が説明してくださったので、
分析機器の使い方やデータの見方もよく理解できました。
しっかり復習しておきたいと思います。」
「いろいろな分野の実験ができているので、とても充実していますし、
自分自身の視野も以前に比べ広くなったと思います。
今日は高分子の実験でしたが、明日の実験もとても楽しみです!」
といった感想を聞くことができました。
このように「分析化学応用学科」では、
環境・材料・食品・バイオ・化粧品・高分子材料など、
幅広い分野の実験ができるため、様々な角度から物事を考える力が身に付き、
柔軟に対応できる応用力を養うことができます。
学生の皆さん、明日は有機合成の実験が待っています。
様々な分野の実験を経験して、
広い知識と多くの技術を身につけてください。
我々教員も全力でサポートしていきます!
By しろいるか