2018.10.19
分析化学の現場で即戦力となる人材を育てる本校では、卒業研究もチームで行い、
チームワークなどの実務能力の向上を図っています。
その理由は、分析化学の技術を活かせる研究開発、品質管理、検査、製造
といった現場では、基本的にチームで仕事を行うからです。
そこで、本校の卒業研究では、学生たちに主体性を持たせつつ、チームで課題に向き合う
中で、様々な実務能力を磨いています。
学生は、準備も含め、卒業研究に1年間取り組みます。
2年生の前期に班分けと実験計画の立案(実験方法を検討するだけではなく、必要な試薬量
なども割り出します)を行い、後期から実際に実験を行います。そして最終的に、実験結果
を解析して論文にまとめるとともに、スライドを使って口頭発表も行います。
毎年2月に行う卒業研究の発表会は、学校に求人をくださる企業の方、発表する学生の
母校の高校の先生方、保護者の方、そして一般の方など多くの外部の方にお越しいただき、
盛大に行っています。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
このような卒業研究を通して学生たちは、チームワークやコミュニケーション能力だけ
ではなく、調べる力、考える力、話し合って結論を出す力、結果を読み解く力、まとめる力、
そして伝える力などを培っていきます。
さらには、1年間の卒業研究の中では、思うように実験が進まず落ち着かない時もあれば、
考え方の違いから激しく議論する時もありますが、そういった経験を通して、チームの中に
絆が育まれていきます。
発酵食品中の成分が持つ機能性について研究を行っています。
声を掛け合いながら、分担して実験操作を行っています。
こちらの班は新たなバイオ燃料の作製方法を研究しています。
学生たちも初めてのことにワクワク・ドキドキ、楽しみながら実験を行っています。
写真の学生たちの班は、化粧品中の成分が抗菌性に及ぼす影響について研究しています。
このように分析機器も駆使しながら、研究を進める班もあります。
学生たちに感想を聞くと
『卒業研究は、これまでの実験と異なり、自分たちで考え、行動しないといけないので、
大変なこともありますが、新しいことに挑戦している実感があって、楽しいです。』
『例えば、どのようにすれば、うまく実験が進むかなどを同じ班のメンバーで話し合うこと
で、色々なアイデアが出てくるところが、チームの力はすごいなと思います。卒業研究の
発表会の時に、班員みんなが達成感を得られるように、協力して、良い結果を出していき
たいです。』
と話してくれました。
実験を始めて一ヵ月あまり、まだまだ手探りのことも多いとは思いますが、班員の気持ちを
1つにして、楽しく、充実した卒業研究を行ってほしいと願っています。
by みなと