2018.11.30
4月から始まった卒業研究も佳境を迎えています。
今日は、卒業研究で合成した化合物を測定するため、
地方独立行政法人大阪産業技術研究所森之宮センターに行きました。
訪問したグループは界面活性剤の合成と物性評価をテーマとした研究を行っています。
界面活性剤は洗剤、乳化剤、分散剤など広く社会で使用されています。
しかしながら環境への影響などの課題もあり、本研究では環境に調和した
界面活性剤の合成を目指しています。
本研究では、食品として用いられているオリゴ糖と油脂から界面活性剤を合成し、
その界面活性剤の性能(泡立ちやすさ、浸透しやすさ、
水の表面張力を下げる力など)を調べます。
オリゴ糖と油脂を反応させ、いくつかの処理を経て、合成物ができました。
しかし、目的物が合成できているかどうか確認する必要があります。
本校でも赤外分光光度計や薄層クロマトグラフィーを用いた分析を行っています。
しかし、さらに分析の精度を上げるため、質量分析装置と核磁気共鳴装置という
分析機器を用いて合成物の分析を行いました。
まずは、測定する前にサンプリングを行いました。
合成物を溶媒に溶かし、測定できる状態にします。
繊細な作業というだけあって、学生は慎重に取り組みます。
分子の重さ、原子の結合や置かれている環境の違いを測定することで、
目的物が合成できたかを確認します。
最後は、得られたデータを解析します。
構造解析の方法は、授業でも習っていますが、
自分たちが合成した化合物には愛着がわきますね。
合成が成功していることが分かると、嬉しくも感じます。
同時に、測定条件の検討結果や純度など、今後の課題も見つかりました。
学生は多くの分析機器について学ぶ機会ともなり、良い経験になったと思います。
卒業研究も残すところあと2ヵ月ほどです。
今日の結果もモチベーションに、しっかりと計画を立て、
質の良い研究に仕上げていきましょう。
By かもみーる