2019.01.13
化学初心者の方でも興味をもって楽しく実験ができるように
「分析化学応用学科」では、身近なものをテーマにした実験を
数多く行っています。そのため、化学初心者の方でも化学分析の
技術や知識を無理なくスムーズに身につけることができ、
このような実験を数多くこなすことで応用力を養うことができます。
まずは、このような特徴がある「分析化学応用学科」についてご紹介します。
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、
週末(土曜・日曜)開講の「分析化学応用学科」を設置しています。
土曜日・日曜日の時間を有効に活用することで、化学分析の知識・技術を
修得することができ、平日の学科で学ぶ環境・材料・バイオ・食品・医薬品・
化粧品・有機合成等についての専門分野を総合的に学ぶことができます。
また、週末だけの通学ですが、平日の学科・コースと同様に2年間で卒業でき、
毒物劇物取扱責任者、化粧品製造業責任技術者、化粧品総括製造販売責任者
の国家資格を卒業と同時に無試験で取得することが可能です。
この学科に在籍する学生は入学目的も様々です。現職でのスキルアップや
技術職への就職・転職を考えている方、事業拡大を考えている経営層といった
社会人の方、就職活動を見据えて技術力を高める目的で大学生も入学しています。
こういった多様な目的に対応するために、このコースは学年定員20名の
少数精鋭で開講しています。
学生たちが上の写真で手に持っているのは、市販されている化粧品です。
この私たちにとってとても身近な化粧品の成分分析を行うために、
1年生は「高速液体クロマトグラフ」という分析機器を使って、
化粧品の中に含まれている紫外線吸収剤の量を測定する
実務に即した応用的な実験に挑戦しました。
「高速液体クロマトグラフ」は、液体試料の中にどんな物質が
どれだけ含まれているかを測定することができる分析機器です。
医薬品、化粧品、食品、環境・材料分野と様々な分野で利用され、
化学分析にはなくてはならないとても大切な分析機器です。
1年生たちは、この化学分析に必要不可欠な「高速液体クロマトグラフ」を
これまでに何度も扱ってきているため、今では分析機器の立ち上げから操作までを
自分たちで行うことができていました(上の写真)。
また、今回の化粧品のような実際のサンプルを分析する時は、
サンプル中の調べたい成分以外の余分な成分を取り除く「前処理」という操作が
必要になってきます。この前処理がうまくできていないと、
よい測定結果は得られませんので、多くの実験に精通している実験担当の
M木先生(上の2枚目の写真右)から丁寧な指導があり、
学生たちは慎重にサンプルの前処理を行っていきました(上の写真3枚)。
そして、サンプルの前処理と測定に必要な溶液調製もうまくでき(上の写真1枚目)、
早速「高速液体クロマトグラフ」を使って、化粧品の成分を測定していきました(上の写真2枚目)。
学生たちは、このような実験を通して「高速液体クロマトグラフ」などの
分析機器の操作方法を修得していきますが、分析機器の原理などは
主に講義を通して学んでいます。
上の写真で講義をしているH先生は、大手塗料系メーカーで40年間にわたって
化学分析に携わってこられた先生です。学生たちは、このような
実務経験豊富な先生から企業の現場で必要になる知識を学ぶことができるため、
講義と実験を通して分析機器の理解を深めていくことができます。
1年生に実験の感想を聞いてみると、
「化粧品に興味があるので、今日の実験はとても楽しかったです!
高速液体クロマトグラフもこれまでに何度も扱ってきたので、
スムーズに実験を進めることができましたし、自分自身の成長を感じています。」
「実験と講義がリンクしているので、今日のような応用的な実験であっても
上手に対応できる力が身に付きました。さらに実験の経験をもっと重ねて、
どのような場面でも柔軟に対応できる力をもっと伸ばしていきたいと思います!」
と話してくれました。
学生の皆さん、実験と講義を通して、実務に即した応用的な実験技術と知識を
どんどん養っていってください。
そして、これからの更なる皆さんの成長を我々教員は期待しています!
By しろいるか