2019.05.19
今週、分析化学応用学科の2年生は日本薬局方に基づく医薬品分析を行い、実践的な
実験スキルの修得を目指しました。
学生が手にしているフラスコの中は実際のビタミン剤を溶かした溶液です。
この後、この溶液中に含まれるチアミン塩酸塩(ビタミンB1)の定量に挑戦しました!
こちらは実験テキストの写真です。学生たちは写真にある実際の日本薬局方の記載を
見ながら、担当講師の指導の下、実験を行っていきます。このようにして、日本薬局方の
表現にも慣れていきます。
現在、分析化学応用学科の2年生が取り組んでいる応用分析化学実験では、今回行った
医薬品分析以外にも、環境分析、金属材料分析、DNA解析、さらには有機材料の合成と
その分析など、多種多様な分析実験を行います。
その中で、今回のビタミン剤以外にも、河川水やステンレス鋼など実際の試料を用いたり、
日本工業規格(JIS規格)に収載された方法に則って実験をしたりすることで、実践的な
実験スキルを修得しているところです。
このように様々な分野の実践的な分析技術を学べる「分析化学応用学科」とは、どのよう
な学科なのか、ここでご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「分析化学応用学科」
があり、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や
自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った
学生が在学しています。
さらに、それぞれの学生が学びたい分野も様々であるため、分析化学応用学科では、
環境・金属材料・医薬品・化粧品・食品・バイオ・有機材料などの幅広い分野の知識と
技術を総合的に学べるカリキュラムとなっています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、分析化学応用学科は、1学年
あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括
製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。
今回の実験ではチアミン塩酸塩を液体クロマトグラフという分析機器で測定しましたが、
上の写真は担当講師(写真左側)の説明を聞きながら、使用前に液体クロマトグラフの
セッティングを行っているところです。
このように、ただ測定するのではなく、分析機器のセッティングやメンテナンス、
さらにはトラブルシューティングの仕方まで学べ、即戦力として活躍できる実験スキルを
磨くことができるのも、少人数制の分析化学応用学科ならではの魅力です。
学生たちに応用分析化学実験の感想を聞くと
『日本薬局方やJIS規格などの公定書の記載を見ながら、さらには実際の試料を用いた
実験に、仕事で役立つスキルを磨けている実感が湧いて、とてもうれしいです。』
『分析機器のセッティングやメンテナンスの仕方も学べ、分析機器に対する理解が一層
深まりました。機器分析への自信が増したことで、就職活動に対する自信も増したので、
本当に良かったです。』
と話してくれました。
この後もDNA解析や有機合成、有機材料分析などが続きます。そして、後期には卒業研究
があります。
これらの実験を通して、仕事で役立つ実践的な実験スキルを磨いて、即戦力として活躍
できる分析化学のプロフェッショナルへと成長していってくださいね。
by みなと