2019.06.09
分析化学応用学科の1年生と2年生は、化学のものづくり「合成」に取り組みました。
普段は様々な成分が混ざりあった試料の中から特定の成分のみを取り出す技術(分析)を
学んでいる学生たちが、今回は数種の化学物質を組み合わせて物を作り出す技術(合成)
に挑戦しました。
2年生は今回、発泡性プラスチックの合成を行いました。
人生で初めて作ったプラスチックを手に、記念の一枚。
ものづくりの楽しさも伝わったようです。
分析だけではなく、合成の技術も学べる分析化学応用学科について、ここでご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「分析化学応用学科」
があり、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や
自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った
学生が在学しています。
さらに、それぞれの学生が学びたい分野も様々であるため、分析化学応用学科では、
環境・金属材料・医薬品・化粧品・食品・バイオ・有機材料などの幅広い分野の知識と
技術を総合的に学べるカリキュラムとなっています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、分析化学応用学科は、1学年
あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括
製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。
今回、1年生は解熱・鎮痛剤の有効成分であるアスピリンの合成を行いました。
アスピリンの結晶がたくさんできました。
カメラを向けられて少しはにかんでいますが、目的物質がたくさんできると、
うれしいものです。
合成の後は、本当に目的物質ができているか分析します。
2年生は実験担当のM先生の説明を聞きながら、分析機器を用いて、自分たちで合成した
プラスチックの構造を解析して、目的物質ができているか確認中です。
こちらは1年生が滴定により、自分たちの合成したアスピリンの純度を測定中です。
実験を終えた学生に感想を聞くと、2年生からは
『1年生でアスピリンの合成をして以来の合成の実験でしたが、ものづくりも面白いな
と改めて思います。資格取得を目的に入学しましたが、様々な実験や授業を通して、視野
が広がっていくので、分析化学応用学科に入学して良かったなと思います。』
1年生からは
『身近な薬の有効成分を自分たちで作ることができたことに驚いています。実験は楽しく
て、合成や有機化学にも興味を持つことができました。そして、最後はやはり分析化学で
チェックする必要があることも実感でき、分析化学を活かした仕事に就きたいなと改めて
思いました。』
といったコメントを話してくれました。
このように様々な分野に触れることができる分析化学応用学科の特徴を活かした学びを
通して、学生たちは視野を広げ、特に就職や転職を目指す学生は自分に合った分野を
探すこともできています。
今後も、様々な分野の技術を学ぶ学生たちの様子をお伝えしていきますので、お楽しみに!
by みなと