2019.08.07
今日は、高校の理科科目を担当されている先生方を対象とした
本校主催の「授業で使える化学実験会」を実施しました。
年に1回この時期に実施し、今年で20回目を迎えました。
別の名称で実施していた時も含めると、40年近く続いているイベントです。
高校の先生は、生徒さんに授業や実験を行う際、
化学に対して、少しでも興味を持って学んでもらいたいと
考えて授業や実験を行っておられます。
今回は、先生方の授業や実験ですぐにでも使っていただけるような実験を
本校教員がいくつか用意して提案すると共に、
より分かりやすく見せて伝えるためには、
どのような工夫をすればよいのかを一緒に考え、
化学の授業に関するアイデアや情報を共有することを目的に実施しました。
下の写真は、実際に実験を行った様子です。
中央にいるのが本校のましおか先生。
その周りにいるのが高校の理科の先生方です。
先生方が、興味深そうに何かをのぞき込んでいます。
この様子だけを見ると、まるで学生のようです!(^o^)
今日は5つの実験を実施しましたが、先生方はとても楽しんでおられました。
しかし、その目線の先には、高校で化学を教える生徒さんの姿があります。
「生徒が興味を示すだろうか」
「明日から早速使える実験なのか」
「身近な材料で生徒を驚かせ、考えさせることができるのか」 と、
考えながら真剣に取り組んでいただきました。
今回提供した実験は次の通りです。
同じ化学教育を行う立場として、本校教員も高校の先生方に
納得して使っていただきたいと考え用意しました。
1.ふぅ~っとマジック!
2.メラメラキャンディ!
3.実験室は美容室!?
4.残る油と落ちる油
5.沸騰してもアワてずに!
実験会は10時から始まりました。
最初は本校校長から、
「Society 5.0等、社会構造の変化によって高校教育も大きく変貌し、
新学習指導要領の探究活動の中では、
目標の明確化、探究・考察、表現などが重視されている。
学力の三要素の知識・技能以外の、思考力、判断力、表現力、主体性等
の生徒の有用な育成には実験は欠かせない。
今日はそういった有意義な情報提供の一日としたい。」
といった挨拶がありました。
そして、実験室へ移動し、5つの実験を行いました。
まずは、最初の写真で先生方がのぞき込んでいた実験です。
観察されていたのはカラフルな溶液(下の写真)で、
「沸騰してもアワてずに!」という実験でつくりました。
ふらすこーズも登場し、紹介してくれています(^^)/
写真では綺麗な溶液としか見えませんが、
実際は、コップ内の溶液の赤や青の色のついた部分から、
ブクブクブクッと、次から次と泡が出てきているのです。
その様子が何とも神秘的!
先生方は、互いに協力して写真を撮られたり、
動画で記録もされていました。
続いての写真は、先生が手に持った容器の中の液体に息をふぅ~っと、
吹き込んでいます。 その名も「ふぅ~っとマジック!」という実験です。
息を吹き込むと、色が消えたり、他の色に変化したりします。
とてもシンプルな実験ですが、その様子を確認しながら、
息を吹き込んでおられました。
息を何回吹き込むと色が消えるのかと、数えておられる先生も!
下の写真の先生方は、綺麗に色を消すことができたようです。
ポイントは、息に含まれる二酸化炭素にあり、
溶液の液性(酸性や塩基性)が変化することで起こる現象です。
続いてこちらは、いろいろな素材の糸がクルクルっと カールを巻いています。
例えば、美容室で髪の毛にパーマをかけますが、
実はパーマは、化学実験そのもの。
今回は「実験室は美容室!?」という実験名で、
先生方にパーマをかけていただきました。
実際に髪の毛でしたいところですが、
さすがに難しいので 素材を変えて、パーマをかけることにチャレンジしました。
素材によっては、うまく丸まらず、 先生方は「なぜ?」と、
考えながら取り組んでおられました。
続いては、こちら。 先生方が一生懸命、何かを燃やそうとしています。
その正体は、お砂糖です。
「メラメラキャンディ!」と名の付いたこの実験では、
とにかくお砂糖を燃やそうと、頑張っていただきました(^o^)
でも、普通に火を付けようとしても燃えません。
そこであるものを振りかけると、メラメラっと燃えるのです。
下の写真にあるのは、いろいろな金属の粉です。
これらを振りかけるだけで、燃えなかったお砂糖が燃え出すという
不思議な実験です。
燃えている様子は分かりにくいですが、
燃え始める砂糖の様子に、先生方も釘付けでした。
5つ目はこちら。 使用したのは、ごま油にクレンジングオイル、
家庭用食器洗剤です。 この実験も、とてもシンプルな実験です。
その名は、「残る油と落ちる油」です。
先生方が、一生懸命に混ぜておられます。
一方のビーカー内の溶液は、白く濁っていますが、
もう片方のビーカーは透明なままです。
実は、それぞれ水の中にごま油をいれて浮かせた状態でスタート しましたが、
入れる洗剤の種類によって、様子が全く異なります。
「洗剤と油だから混ざると思っていたのに!意外!」 という先生からの声を
多くいただきました(^_^)v
また、今回の実験会には、下の写真の在校生を合わせ、
10名以上の在校生が協力してくれました。
受付から実験の準備や片付けなど大活躍でした。
中には、出身高校の先生が参加されており、
久しぶりの再会という場面もありました。
先生方も、高校を卒業し、 成長している姿を見てとても喜んでおられました。
そして、実験が終わると、次は教室に移動し、
「化学情報交換会」を実施しました。
今回行った5つの実験テーマごとに分かれ、 それぞれの実験を振り返り、
もっと工夫できることはないのかを話し合いました。
また、同じ理科を教える立場として、 普段の悩みや疑問、
他校ではどのように取り組んでいるのかなど、いろいろと情報交換も行いました。
話し合った内容は、その場で模造紙にまとめ、、、
全員の前に掲示しました。
5つのテーマの話し合われた内容が模造紙にまとめられ、カラフルに並びました。
そして、それぞれグループから模造紙を前に発表を行いました。
高校の先生が自身のグループで話した内容を発表している様子です。
この実験をもっと使える実験にするにはどうすれば良いのか、
熱弁いただきました!
さらに化学情報交換会は続きます。
高校の授業で実際に工夫され、使用されている教材を
複数の先生に持参いただきました。
どのようにして使用しているのかなど、 資料をもとに説明をいただきました。
こちらは、スライドを使って説明をいただいている様子です。
下の写真では、実験を実演いただいている様子です。
こうして「授業で使える化学実験会」は終了しました。
が、終わってからも続くのが、この実験会!(^_^)/
終わってからも会場内では、先生が集まっています。
その輪の中では、先ほど紹介をいただいた実験を、改めて実演。
先生同士で、さらに情報交換をいただきました。
こうのようにして名残惜しくも「第20回 授業で使える化学実験会」は終了しました。
参加された先生方からは、アンケートで次のようなコメントをいただきました。
「すぐにできる簡単な実験が多く、とても参考になりました。
2学期からの授業で早速実践してみようと思います。」
「開会の挨拶で『7割の先生がこの実験会のリピーター』という話を
校長先生から聞いて、私もこの一人です。
毎年、ありがとうございます。今年も、今日学んだことを
科学部や化学の授業でいかしたいと思います。」
「身近な物で実験できるものや、おもいつかない実験手法を勉強させて
いただきました。大変有意義な時間となりました。
先生方、学生のみなさま、本日はありがとうございました。」
「いつも楽しくできる実験と企画してくださりありがとうございます。
器具や試薬が少なくて簡単にできて、しかも実験なので
見栄えがすることが必要です。いつもそのニーズに合っていて
すばらしいです。」
今回も、たくさんの先生方に参加をいただき、盛況に終えることができました。
これも参加いただく化学教育に熱心な先生方のおかげと、感謝しています。
また来年も先生方に「参加して良かった」「参考になった」と言っていただけるような
実験会にしたいと思います。
改めて今日ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。
また、ご参加いただけなかった先生方も、来年、お待ちしています!
By ぽてと