せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】基礎力を磨こう!

2019.10.06

本日、分析化学応用学科1年は食品の品質管理や環境分析に欠かせない
酸化還元滴定に初めて挑戦しました!

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酸化還元滴定の1つ過マンガン酸カリウムを用いる実験方法に挑戦中です。

滴定という実験操作にはいくつか種類があり、
溶液中の酸やアルカリの量を測る中和滴定、塩分の測定などに用いられる沈殿滴定、
金属の濃度を測るキレート滴定、そして酸化剤や還元剤の濃度を測る酸化還元滴定
などがあります。

分析化学応用学科1年はこれまでに何度か中和滴定を行ってきましたので、
滴定という実験操作には慣れてきていますが、
酸化還元滴定は初めてなので、本日は鉄の試薬溶液をサンプルに使って、
酸化還元滴定とはどういう実験手法なのかという、
基礎をしっかり修得するための実験を行いました。

この酸化還元滴定は実務の中でも使われている技術で、例えば、
食用油の酸化による劣化具合を調べる時や食品中のビタミンCの濃度を簡易に測る時、
河川や湖沼などの環境水の汚れ具合を調べる時など、
食品や環境などの分野で利用されています。
つまり、この1つの技術を修得することで、将来活躍できる分野の選択肢を広げることが
できるのです。


ここで、実務に役立つ技術を基礎から学べる分析化学応用学科についてご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、国家資格を含む4つの資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者・
環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができる「分析化学応用学科」
があります。

この学科では、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。
また、このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、分析化学応用学科は、
1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。


滴定という実験操作では、操作を止める頃合い(終点と言います)を示す
溶液の色変化を見極めることが大切となります。
本日のような基礎力を磨く実験では、その色変化を見極める目を養うことも
目標の1つとなります。
DSCN2009.JPG
溶液に薄っすらと紫色が付いたことを確認中です。

実験を終えた学生に感想を聞くと、
『これまでに中和滴定を行ったことはありましたが、本日は新しい滴定の方法を
学び、滴定という実験方法に色々な手法があることを知りました。
実験操作そのものは単純なのに、化学反応をうまく利用して、様々なものを測れる
ところが面白いなと思いました。』

『滴定は色変化があるところが面白くて、好きです。ただ、その色変化を見極める
ところが重要なので、ギリギリのところをしっかり見極められるように、
きちんと修得したいです。』

『今日学んだ酸化還元滴定を使って、後日、学校の横を流れる大川の水の
水質分析を行うと聞いて、すごく楽しみです。しっかり復習して、実践的な
実験に臨むようにしたいです。』
と話してくれました。

学生の感想にもあったように、分析化学応用学科では基礎力を修得するだけではなく、
実試料を用いた実践的な実験も行い、実務に役立つ技術の修得も行うところが特徴です。
今後の実験でより一層技術力に磨きを掛けて、分析化学のプロフェッショナルへと
成長していってくださいね。

by みなと