2019.10.08
今日は1年生の「機器分析化学実験」の様子をお伝えします。
この実験では、さまざまな分析機器を使った分析方法を学びます。
これまでの実験では、「手分析」といわれる自分たちの手で
ガラス器具などを使う分析を学びました。
その経験を応用して、9月からは、実際に企業でも用いられている機器を使った
分析方法を学びます。
数人の班に分かれて順番に分析機器を使った実験を行い、
この実験が終了する頃には、多くの分析機器を扱う上での知識と経験を
身に付けることになります。
今日は、ガスクロマトグラフを使った実験を紹介します。
ガスクロマトグラフィーという方法は、何が入っているのか、
どれだけ入っているのかを、両方行うことのできる
分析方法です。
気体になりやすい試料(=混合物)を分析するのに
向いている分析機器です。
原理を簡単に説明すると、分析機器に注入された試料は
気体となり、「カラム」と呼ばれる器具に運ばれます。
そこで試料の中の物質が「動きやすいか」「動きにくいか」の性質を利用して
混合物を分けることができます。
1年生のU君が、やや緊張気味の真剣な面持ちで、試料を注入しています。
緊張気味の訳は・・・、
この分析機器そのものも高価なのですが、試料を注入するための
シリンジ(U君が持っている注射器)も、繊細な器具であり、
扱い方には、
「正しい姿勢でまっすくぐに注入すること、押子を適度な力で抑えること」
というちょっとしたコツがあるのです。
初めて扱う際には、「まっすぐに、適度な力加減」というのが、
なかなか難しい感覚です。
そもそも実験には、失敗も付きものですが、
初めて使う分析機器の実験でも同じです。
私たち講師は、実験の時に
「先輩たちの失敗談」を話すことがよくあります。
これは、どこに気を付けなければいけないのか、
ポイントを伝えるためでもあります。
分析機器を使う実験は、始まったばかりです。
1年生のみんなは、失敗を恐れず、
今の内に、たくさん経験をして将来の仕事に活かしてもらいたいと思います!
by かん太郎