せんせのブログ

分析機器を着実に修得する1年生

2019.12.02

今日は1年生の「機器分析化学実験」の様子をお伝えします。

この実験では、実際に企業でも用いられている機器の使い方と
その分析のための試料の前処理の方法を学びます。
数人の班に分かれて順番に分析機器を使った実験を行い、
この実験が終了する頃には、多くの分析機器を扱う上での知識と経験を
身に付けることになります。
9月から始まった後期も後半に入り、
機器を使った分析にも少しずつ慣れてきた様子の1年生です。

こちらの班では「赤外線吸収スペクトル分析法」を行うために、
試料を錠剤にする前処理を行っていました。
まずは教員の説明を聞いて、使い方をおさらいします。

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「赤外線吸収スペクトル分析法」とは、赤外線という光の一種を
使う分析方法です。この赤外線を試料に当てることで、
試料がどのような化学的な構造をしているのかを知ることができます。
新たに開発・合成した物質の化学構造を確認したり、
製品の中に異物が入っていないか、入っていればそれが何かを調べるために
使用される分析方法です。
機器の原理は「機器分析化学」などの授業でも学ぶので、
実験の際は簡単におさらいをしています。

この手法では、分析を行う前に、試料を錠剤に入れる必要があります。
専用の機械に封入用の錠剤と試料をセットして、
均等に力を入れてプレスします。
「そのまま、そのままで1分待って。」
「・・・1分って、けっこう長いですね。」

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試料を封入したら、蛍光灯の光にあてて、
試料がうまく錠剤に封入できたかを確認します。
「つられて、一緒に見上げちゃったよ・・・(^^)」

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錠剤がうまくできたら、分析を行うことができます。
右に写っているのが、赤外分光光度計です。
先ほどの錠剤を、これにセットして分析を行います。
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この実験でも、学生たちは自分の手で行う前処理が
機器の分析でも、とても大切だということを体感し、学ぶことができたようです。

この実験では、後期の間に少なくとも8つの分析機器を扱うことになります。
授業で習った原理を復習しながら、卒業後も役に立つ技術を
しっかりと身に付けてもらいたいと思います。

by かん太郎