2020.02.01
化学初心者の学生でも無理なく化学分析の技術や知識を
身につけることができるように、「分析化学応用学科」では、
身近なものをテーマにした実験を数多く行うことで
学生が興味を持って実験に取り組めるようなカリキュラムと
なっています。
また、このような実験を数多くこなすことで
実務に対応できる応用力を養うことができます。
まずは、このような特徴がある「分析化学応用学科」についてご紹介します。
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、
週末(土曜・日曜)開講の「分析化学応用学科」を設置しています。
この学科では、平日の学科で学ぶ環境・材料・バイオ・食品・医薬品・化粧品・
有機合成等の専門分野を総合的に学ぶことができ、
多種多様な分野に応用が利く人材の育成を行っています。
また、週末だけの通学ですが、以下は平日の学科と同様です。
・2年間で卒業が可能
・国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者・環境管理士(2級))
も無試験で卒業と同時に全員が取得することが可能
この学科に在籍する学生は入学目的も様々です。
現職でのスキルアップや技術職への就職・転職を考えている方、
事業拡大を考えている経営層といった社会人の方、
就職活動を見据えて技術力を高める目的で大学生も入学しています。
こういった多様な目的に対応するために、
この学科は学年定員20名の少数精鋭で、
学生一人一人に合った指導を行っています。
上の写真で学生たちが手に持っているのは、市販されている化粧品です。
今日、1年生は「高速液体クロマトグラフ(HPLC)」という分析機器を使って、
私たちにとても身近な化粧品の中に含まれている
紫外線吸収剤の量を測定する、実務に即した応用的な実験に挑戦しました。
HPLCとは、液体試料中の成分を分析する機器で、医薬品、化粧品、食品、環境、
材料などの様々な分野で利用され、
化学分析の現場では広く使われている、とても重要な分析機器の1つです。
1年生たちは、このHPLCをこれまでに何度も扱ってきており、
分析機器の立ち上げから操作までを自分たちでスムーズに行っていました(上の写真)。
また、今回の化粧品のような実際のサンプルを分析する時は、
サンプル中の調べたい成分以外の余分な成分を取り除く「前処理」という操作を
必ずしなければなりません。
この前処理がうまくできていないと、良い測定結果は得られないため、
様々な実験に精通している実験担当のM木先生(上の2枚目の写真右)から
とても丁寧でわかりやすい指導があり、
学生たちはスムーズにサンプルの前処理を行っていました(上の写真3枚)。
今回は、実務に即した応用的な内容の実験でしたが、
学生たちはこれまでに得てきた知識と技術をうまく活用し、
協力し合うことで、柔軟に対応していました(上の写真)。
そして、サンプルの前処理と測定に必要な溶液調製ができたので(上の写真1枚目)、
早速HPLCを使って、化粧品の成分を測定していきました(上の写真2枚目)。
1年生に今日の実験の感想を聞いてみると、
「私は化粧品関連の資格取得を目的に入学しましたが、このような実験を通して、
普段目にしている実験結果が、どのような実験をして得られたものなのか、
結果の数値にどのような意味があるのか、段々分かるようになってきました。
すぐに実務で役立つことを学べて、とても有意義に感じています。」
「身近な化粧品を扱う実験だったので、とても楽しく実験することができました!
自分で一から操作できるようになりたいと目標にしていたHPLCも
これまでに何度も扱ってきたので、マスターすることができました。
とてもうれしいです!」
「これまでの実験に比べて応用的な実験でしたが、柔軟に対応できたと思います。
実務で役立つ前処理の方法など学ぶことが多く、今回の実験はとてもためになりました。
もっと実験の経験を重ねて、成長していければと思います!」
と話してくれました。
学生の皆さん、今日のような実務に即した応用的な実験を通して、
どのような場面でも柔軟に対応できる力をどんどん養っていってください。
応援しています!
By しろいるか