せんせのブログ

令和元年度 文部科学省委託事業「化学分野 学び直し講座」 集合学習

2020.02.17

本日は、2019年度 専修学校リカレント教育総合推進プロジェクト
「eラーニングを活用した化学分野学び直し講座実施モデル構築事業」
の集合学習を行いました。本事業は、文部科学省の委託事業として
昨年度から取り組んでいるものです。
※昨年度の事業の概要や報告などは情報公開ページ
 下部にまとめています。

この事業では、化学分野における「学び直し」の教育環境を整備し
新たな教育プログラムを開発することを目的としています。
化学分野といっても、その分野は、医薬品、化粧品、環境、バイオなど
幅広く存在します。その中で、多くの化学技術者が活躍していますが、
日々進歩する化学技術、求められる化学知識に対して、
化学技術者の「学び直し」も必要とされているのです。

この「学び直し」を、本事業で提案しているe-ラーニングを用いた
新たな教育プログラムで応えていきたいと考え、昨年度より引き続き、
プログラム内容を検討をしてきました。

そして今回、1月の初旬に「化学実務に必要な実験技術」をテーマとして、
化学分析・機器分析の実務操作向上をめざし、希望される企業の方々に
e-ラーニングを受講いただき、さらに座学だけでは補えない技術面を
本日の「集合学習」の中で実験に取り組んでいただきました。
参加された社会人の方々は、各分野の企業より現在も分析業務に
携わっている方、またはそうでない方と様々でした。
さらに業務経験も半年から数年と短い方々が多く参加されました。

開始に伴い、この事業を取りまとめている本校校長から改めて主旨説明と、
ごあいさつをさせていただきました。次に、担当講師から実験内容の
説明や安全上の諸注意などについてガイダンスを行いました。
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実験は、ガスクロマトグラフと、紫外可視分光光度計という2つの
分析機器を対象として実施しました。
受講者にはいずれかの分析機器を選択し、受講いただきました。

ガスクロマトグラフでは、まず分析の原理を理解するために、
分析機器の中も見ていただきながら説明を行いました。
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企業で少し扱ったことのある方、全く扱ったことの無い方もおられました。
実物の分析機器を前に、1つずつ原理や構造を説明しました。

次に1人づつ、検量線用の試薬と未知試料を調整し、
細い針の注射器(シリンジ)を使って分析装置に試料を入れて
分析を行い、データを取っていただきました。
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また、紫外可視分光光度計を使った実験でも、まずは分析方法や機器の
の原理を理解していただくための説明を行いました。
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続いて、実験器具のメスフラスコを使って、正確に試薬を希釈して
いただきました。正確に希釈するためにはコツがあり、少し難しいと
感じられた受講者もいたようですが、それぞれ講師からポイントを
おさえて指導を行うと、理解されていました。
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調製した試料を、紫外可視分光光度計で分析いただきました。
この時にも、いくつかのポイントがあり、事前にe-ラーニングで学んだことを
復習しながら、実際に扱っていただきました。
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分析業務の経験が半年という受講者の方は
「実験の基本的な所作を確認すること」、
経験が3年ほどという方にとっては、
「ふだん何気なくやっている所作が正しいのかどうか、他にもよりよい
 分析結果を出すためのコツがあるのか」
といったことを学んでいただく貴重な機会になったようです。

集合学習を終えた感想をお聞きすると、
「丁寧に原理から教えていただき、非常に参考になった」
「事前のe-ラーニングでの学習が予習となり、今回の集合学習の
 理解がしやすかった」
「少人数での学習だったので、個々人で機器を触れることができてよかった。
 会社ではここまで込み入った話もできないので、基礎から学べるのは
 良いと思いました」

と、それぞれ得られることが多くあったようで、担当した私たち講師も
安心しました。昨年度に実施した集合学習に続き、今回学んでいただいたことが
受講者のみなさんの今後の業務に役立てていただければ幸いです。
※昨年度の集合学習の様子はコチラ
文部科学省委託事業 化学分野 学び直し講座 集合学習(1日目)
文部科学省委託事業 化学分野 学び直し講座 集合学習(2日目)

また、同時に「社会人になってからも、自分の分析技術を向上させたい」という
真摯な姿勢は、私たち講師も忘れないようにしたいと思います。

今回の集合学習を行った経験は、今後の本事業にも活かしていきます。
参加いただいた企業の皆様、ありがとうございました。

by かん太郎