2020.06.08
分析化学応用学科(2021年度より化学分析学科へ名称変更予定)では、
平日働きながら、または他の大学などで学んでいる方々に向けて、
土曜日日曜日だけで開講している学科です。
学生の多くは仕事で化学系や化粧品系の資格や知識を活かすために、この学科で学んでいます。
昔は大阪にも夜間大学で化学を学ぶことができたのですが、
今や社会人を続けながら学ぶことのできる場所というのは非常に少なくなりました。
今年度もスキルアップや資格取得を目的とした学生が大勢入学していましたが、
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などの影響もあり、
先週までは遠隔授業を行っていたため、学校でともに学ぶ機会がありませんでした。
1クラス定員20名という少人数制で開講している学科であるため、
通常登校に戻しても三密状態は避けられるとの判断から、
やっとこの土日から学校での通常授業が再開されました。
思い起こせば、新入生ガイダンスのあった初日と1日めの授業でしか、
お互い顔を合わせていない学生たちです。
土曜日から実験の実習が始まったものの、
お互い打ち解けてコミュニケーションを取りながら実験してくれるだろうか?
クラスメイトの年齢幅も広いので大丈夫だろうか?
などと心配しながら実験が始まりました。
そんな私の心配はよそに、実験が始まって10分もしないうちに、
学生たちは登校できなかった2ヶ月間ずっと一緒に学んでいたかのように、
和気あいあいと実験に取り組んでいました。
(撮影した角度的に近く見えますが、1m以上あけていますし、
フェイスシールドとマスク、ゴム手袋で安全対策済みです)
今日取り組んでいたのは、薄層クロマトグラフィーという実験です。
食用色素を分析しています。
この分析方法は、調べたいものに何が入っているかを調べる『定性分析』の定番とも言える実験です。
ここで使われているクロマトグラフィーの原理は他の分析機器にも応用されており、
いきなり複雑な分析機器を扱う前に、
この薄いアルミの板を使って原理を学んでおくことは重要なのです。
実験が終わってこの2日間の感想を学生たちに聞いてみると、
『家が大阪からは遠いので遠隔授業はありがたかったんですけど、
実習を学校でできるのは楽しい。学校に登校できてよかった』とか、
『登校して教室や実験室で学んでいるととても質問しやすくて理解がしやすいです』などという意見が聞けました。
私達教員も学生が学校にきてくれているときの方が授業はやりやすく感じていましたが
学生たちも学校という場が学習しやすいい場であることを実感できたようです。
来週以降も授業・実験が盛りだくさんです。体調管理にも気をつけてがんばって行きましょう。
by ドラいちろう