2020.07.12
土曜日・日曜日に通学している彼らは、1学科の定員が20名と少人数制であるため、
3密(密閉・密集・密接)にならないので、平日の学科よりも一足早く、
6月から全員が登校する通常の授業を再開しています。
本校ではクラスごとに担任制をとっており、
担任と学生とのコミュニケーションツールの1つにクラス日誌というものがあります。
社会人の多い分析化学応用学科の学生たちもクラス日誌当番が回ってきます。
その中で学生たちが『その日何を感じていたのか』を私達も伺い知ることができるのですが、
読んでみると
『休業要請が解除されて、登校できるようになって1ヶ月が経ち、
やっと電車通学にも慣れてきました』という感想が書いてありました。
例年ならば登校が始まって1ヶ月というと、ゴールデンウイーク明けにあたりますが、
今年はだいぶ学生たちの生活も様変わりしているようですね。
そんな通学にも慣れてきた学生たちですが、今日は定性・定量分析実験のガイダンスの日でした。
今日は定量分析にあたる部分の解説です。私とM先生で分担して説明を行います。
私の担当は中和滴定と重量分析。
中和滴定は基礎化学実験でも取り扱ったテーマですが、
中身が少し実践的になります。
日本薬局方(にほん やっきょくほう)やJIS規格という『公定分析法』に基づいた純度の測定方法です。
実践的とはいえ、操作は今までと一緒です。
出てきた結果から純度を計算するときに一工夫必要となるので、そこを中心に説明をしました。
できた沈殿の重量から分析を行う重量分析では現物を見本に説明を行いました。
今回の実験では鉄の化合物中に含まれている鉄の含有量(含有率)を求めるのですが、
実はこの実験で用いられる反応は、金属イオンの定性分析の実験で用いられる反応がたくさん出てきます。
先週、その部分の説明をM先生がしてくださっていますので、思い出しながらのガイダンスです。
ちょうど次の実験は定性・定量分析実験の『定性分析』の日です。
前回と今日のガイダンス内容を思い出しながら実験を行って行きましょう。
高校までの理科は単元ごとに、ぜんぜん別のことをやっている印象が強かったかもしれません。
でも、仕事にする化学は意外なところで繋がっていることがたくさんあります。
その繋がりを1つ1つ理解していくことが皆さんの力になりますし、
化学の面白さを感じられる能力にも繋がっていきます。
次回の実験は月末ですが、楽しみですね。
by ドラいちろう