2020.07.12
分析化学応用学科(2021年度より化学分析学科へ名称変更予定)の2年生は、
先週学んだ微生物試験の方法を活用し、自分たちの卒業研究で扱う素材の抗菌性を調べました。
今回は、先週の液体培地を用いる方法だけではなく、
寒天培地を用いる方法にも新たに挑戦しました。
上の写真は、その結果を観察しているところです。
寒天培地への菌液の塗布の仕方など、まだまだ技術力が足りないところも分かり、
さらに技術力を高めようと、学生たちは新たな決意をしていました。
ここで、写真に写る学生たちが在籍する「化学分析学科」について、ご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析学科」があります。
週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。
この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など多彩です。
そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの定員を20名として、
少数精鋭で開講しています。
上で述べたように、様々な目的を持って入学してくる化学分析学科の学生の多くが、
化学やバイオの初心者です。
そこで、化学分析学科の授業や実験は、化学やバイオの知識や技術の修得が、
基礎・応用・実践へとステップアップできるように考えられたカリキュラムです。
例えば、今回紹介した微生物試験の場合、
1年前期の基礎化学実験で河川水中の大腸菌の数を調べる実験を行い、その基礎を学びます。
次に、1年後期から2年前期に行う応用分析化学実験で抗菌性試験を行い、
新たな技術、より高度な技術を修得し、応用力を養います。
そして、卒業研究では、自分たちで選んだ素材に様々な前処理を行い、
取り出した成分の抗菌性を調べるなどの実験を通して、実践力を磨きます。
ただ測定するのではなく、測定結果がその他の結果から考えて妥当な数値なのか考え、
おかしい場合にはどの試料を測り直すべきか、学生たち自身で議論して、実験を進めています。
このような経験が着実に実務・実践力の向上につながっていきます。
実験終了後、測定結果を基に、今後どのように実験を進めていくべきか、
卒業研究の担当講師と相談している学生もいました。
実験を終えた2年生と話していると、
『2年生になって、実験がどんどんと応用的、実践的になり、仕事につながる
技術だなと実感しています。そう思うと、より一層、実験が楽しいです。』
『今回の実験で、卒業研究がこれまでの総仕上げの場でもあるのだと
分かりました。卒業研究を通して、これまで学んだことをしっかり復習し、
自分自身の自信につなげたいです。』
といった感想が聞けました。
今月末からは、約半年間の卒業研究が本格的に始まります。
卒業研究は実務・実践力を磨く貴重な機会ですので、
自分たちで主体的に考え、行動し、様々なことに挑戦して、
分析化学のプロフェッショナルへと大きく成長していきましょう!
by みなと