2020.08.01
分析化学応用学科(2021年度より化学分析学科へ名称変更予定)の2年生は、
2年間の集大成である卒業研究に取り組んでいます。
とは言っても、今はまだ始まったばかりで、
これまでに学んだことを基に試行錯誤を繰り返したり、学んだ技術を復習したりしています。
本校の卒業研究はチームで行うため、
班員同士が様々なアイデアを出し合って、実験を進めていきます。
こちらのチームは食品等の揮発性成分に着目しており、その捕集方法を検討中です。
今回は私みなとが担当する食品分析化学の授業で学んだ方法を参考に、
自分たちのアイデアに挑戦しています。
ここで、卒業研究に取り組む2年生が所属する「化学分析学科」をご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、国家資格を含む4つの資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者・
環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができる「化学分析学科」があります。
この学科では、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの、
多種多様な入学目的を持った学生が学んでいます。
また、このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、
化学分析学科は1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
このように様々な目的で入学してくる化学分析学科の学生さんの多くが化学の初心者です。
もちろん、化学の実験などしたことがないという方も少なくありません。
そこで、実験においても基礎から応用、そして実践へと、
ステップアップすることができるようなカリキュラムとなっています。
例えば、1年生で行う基礎化学実験や定性・定量分析実験では、
器具の扱い方や基本的な実験操作など分析技術の基礎を。
機器分析化学実験では分析機器を用いた分析技術を学びます。
また、1年生の後期から2年生の前期にかけて行う応用分析化学実験では、
化粧品や食品、環境や材料など様々な分野の実際の試料を用いて実験を行い、
応用力を培います。
2年間の集大成である卒業研究は、研究計画の立案から実験、
そして成果の発表まで、学生たちが主体となって行います。
その中で、これまでに学んだ知識や技術を復習し、より深く修得することはもちろん、
実試料に対する前処理の仕方やより高度な分析方法、研究の進め方や発表の仕方など、
実務につながる知識と技術を学び、実践力を養います。
このような学びの成果を発表する機会として、毎年2月に卒業研究発表会を行っており、
昨年度も学校に求人をくださる企業の方や保護者の方、
学生の出身高校の先生など多くの外部の方もお越しになられました。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
こちらはロータリーエバポレーターという装置を動かしてみています。
1年生の実験で使ったことはありますが、久しぶりに使うので、
正しく使えるか班員同士で確認しながら動かしていました。
(1年生の実験の時の様子はこちらから)
卒業研究を行っている学生に声を掛けると、
『卒業研究は自分たちで考えたことを具体的に挑戦できるので、楽しみです。
これから試行錯誤で大変なこともあると思いますが、
班員同士、知恵を出し合って進めていきたいです。』
『久しぶりに使う装置をきちんと使えるのか不安もありましたが、
みんなで確認し合うことで正しく使えました。
1年の間に着実に技術を覚えてきたのだなと改めて実感しました。』
と話してくれました。
2年生の皆さん、卒業研究では、これまで学んだことを復習するとともに、
実践力を養う機会でもあり、そして自らのアイデアに挑戦することもできます。
そのような貴重な時間を有意義に過ごして、
より一層の成長につなげていってくださいね。
by みなと