2020.08.30
化学分析には、ガラス器具や天秤を用いて手作業で行う分析(手分析)と、
分析機器を駆使して行う分析(機器分析)があります。
分析化学応用学科(2021年度より化学分析学科へ名称変更予定)の1年生は、
滴定といった手分析の手法を学ぶのと同時に、少しずつ機器分析の手法も学び始めています。
今回は「吸光光度計」という分析機器を使いて、
鉄の濃度を求める実験を行いました。
現在、1年生が取り組んでいる「機器分析化学実験」では、
今回用いた「吸光光度計」以外にも、「蛍光分光光度計」「原子吸光光度計」
「高速液体クロマトグラフ」「ガスクロマトグラフ」「赤外分光光度計」
「熱分析計」といった様々な分野で汎用的に使われる分析機器を学びます。
このように1年生のうちから、
様々な分析機器に触れることができる「化学分析学科」をご紹介します。
本学科は、土曜日・日曜日に開講し、週末を活用することで、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。
この学科に在学する学生の入学目的は、
例えば、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など多彩です。
そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの定員を20名として少数精鋭で開講しています。
この吸光光度計という機器を使うのは今回が2回目なので、
学生たちは前回学んだことを思い出し、お互い確認し合いながら、主体的に実験に取り組んでいました。
上で述べたように、様々な目的で入ってくる化学分析学科の学生たちは、その多くが化学初心者です。
そこで、実験を行う前には必ずガイダンスを行い、実験の目的や概要、操作手順、そして機器の原理について学びます。
実験で初めて機器に触れる時は、まずは担当教員が使い方を演示して見せて、操作方法をイメージできるようにします。
その後、一人一人が使う時には、そばに教員がついて、個別指導も行います。
そして、同じ機器を2回目に使う時には、教員はそばで見守りながら、学生に主体的に操作してもらいます。
このように丁寧な指導の下、少しずつステップアップしていくことができるのも、
少人数制の化学分析学科の魅力と言えます。
実験を終えた学生に声を掛けると
『吸光光度計を使うのは2回目で、最初はちゃんと使えるのか不安でしたが、
実験を行ってみると、使い方を少しずつ思い出して、自分で使うことができました。
少しずつ技術が身についているのだなと実感できて、うれしかったです。』
『吸光光度計を使うのは2回目ですが、前回は溶液の濁り具合を測る実験で、
今回は鉄の濃度を求める実験でした。
同じ機器を使っても、こんなに違う実験ができることに驚くとともに、面白いなとも思いました。
これからも、様々な機器の使い方をしっかり覚えていきたいです。』
といったコメントを聞かせてくれました。
様々な分析機器に直接、何度も触れることができるのも、化学分析学科の強みです。
このメリットを活かして、機器分析の技術もしっかり修得していってくださいね。
by みなと