2021.02.08
本校では、道頓堀川の水質調査を2004年から実施しており、今年で17年目を迎えます。
この水質調査は、大阪の中心を流れる道頓堀川の3地点から川の水を採水し、
環境委員の学生たちが主体となって、川の水質調査を年間4回行っています。
分析結果は、本校のホームページで紹介していますので、以下のページをご覧ください。
< 道頓堀川は泳げるか?道頓堀川の水質調査 >
今年度はコロナ禍の影響で、残念ながら春の調査は中止という事になりました。
それでも、夏の調査、そして秋の調査を実施してきました。
そして、例年であれば1月の調査の予定を立てていたところに、緊急事態宣言が発令。
1月の調査は、一旦延期という形になりました。
そして、現状を考え、元々講じていた新型コロナ対策も見直して、本日から調査に入ったのです。
この調査が、今年度では最後の調査となります。
言い換えると、今回をもって、調査のバトンが2年生から1年生に引き継がれていきます。
2年生も1年生も、この調査は絶対にやりたかったのです。
例年よりも1回少ない回数や様々な制約の中でも、
「毎年伝えてきた技術」「積み重ねてきたデータ」を絶やすまいと、
気がつくと、例年よりも多いかもしれない参加者が集まりました。
まずはサンプリング班が、朝8:00に校舎を出発。
道頓堀川の3箇所を回って、手際よくサンプリングを進めていきます。
その場で水のpHを測ったり、測定方法別に指定容器に詰めていくなど、
この辺りは2年生の指導がきっちり引き継がれています!
その間、実験室でも測定の準備が着々と進んでいます。
基本的な準備は、1年生がほとんど自律的に進めていました。
ガラス機器を使った測定の準備も、2年生は確認が中心です。
もとより実験好きな本校の学生の集団ですから、本音を言えば「自分でやりたい...」
と言うところでしょう。
それでも、あえて見守りながら、危うそうな所だけ的確にアドバイスしていく姿に、
2年生の実務実践力の成長を感じていました。
そして、いよいよサンプルが到着!
ここからが本番です!
まだ肌寒い2月の朝に、サンプリングチームが集めてきてくれた試料です。
ひとえに「川の水」と言っても、温度次第で中の細菌の数が変わったり、成分の変動が出ます。
そのため、氷を詰めた重いクーラーボックスでサンプルは運ばれてきます。
もたついてデータに影響が出ないように、ここからは全体のギアが一段上がります。
これは、サンプルをフラン瓶という特殊なガラス容器に移動させている写真です。
この瓶の中身に、更に試薬を加えてよく混ぜることで、
水の中の有機物の量を測定する事ができます。
そしてこちらでは、1年かけて身につけた滴定の技術をフル回転させています。
隣の部屋では、水の濁り(濁度)を量る際に、基準になる試薬を調整していました。
「基準」ですから、これがずれると全ての測定結果に影響が出ます。
これも、1年生3人が、互いに協力しながら、見事に条件の揃った基準液を作っていました。
あちこちで、一気に様々な実験操作が行われていましたが、
どの操作を見ても、安心して見ていられる操作でした。
そして、真面目に実験をしているのですが、「楽しさ」が実験室にあふれていました。
特に今年の1年生は、コロナ禍の影響を直に被っているのですが、
そんなことは全く感じさせない技術や思考が備わってきていました。
1年生の頑張りももちろんありますが、2年生も今年度の悪条件下で、
よくここまできちんと指導をしてくれたなと思います。
「実験が好き!」と言う共通意識が、年度当初のピンチを、逆にチャンスに変えてくれました。
この体験は、この4月から就職していく2年生はもちろん、1年生にも好影響でしょう。
この測定は、今週いっぱいかけて行われます。
明日以降もまた、真面目に「楽しく」測定を頑張りましょう!
by ゆきだるま