せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】実験で実践力を身につけよう!

2021.05.09

本校は授業だけではではなく、技術や知識などの実践力を身につけるように実験を行っています。

本日は「クロマトグラフィー」の実験を行いました。
クロマトグラフィーとは混合したものを分離させる仕組みのことで、
今から100年以上前に発見された分離方法です。

例えば、紙(固定相)と水(移動相)を使ってインクに含まれている
さまざまな色素を分離を行う場合、紙の上にインクを1滴落とし、紙の端から水を含ませます。
インクに含まれている色素はそれぞれの色素によって水と仲の良い「親水性」が違いますので、
「親水性」の良い色素は水によく溶けて紙繊維を上昇しますが、
「親水性」のわるい色素は水に溶けにくいため紙繊維に吸着しやすく上昇しなくなります。
このため色素の種類によって上昇する高さが異なり色が分離される仕組みです。
 
このクロマトグラフィーは、後々「機器分析実験」の中で学びます。
「ガス(気体)」を移動相とする「ガスクロマトグラフィー」や、
「液体」を移動相とする「高速液体クロマトグラフィー」の元になります。

今回の実験ではアルミ箔の上に「シリカゲル」という物質を薄く
のせたものを固定相に使用した「薄層(はくそう)クロマトグラフィー」により、
色素を使って上昇する高さから、未知試料がどの色素と同じであるのか実験を行いました。
まずは極細のガラス管(キャピラリー)を使って色素を吸い上げ「シリカゲル」の上に加えます。
慎重に行っていますね。
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次に溶液が入っている瓶の中に薄層を加えて色素の移動の様子を観察します。
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色素によって上昇の違いが一目でわかりますね。

「化学分析学科」は1学年あたりの定員を20名としているので、
3~4名のグループで実験を行っています。
このように少人数制で実験を行うことができるので、
学生一人ひとりに対して丁寧な指導を行うことができる
「化学分析学科」についてご紹介します。

本校では主に平日通学できない社会人や大学生等を対象とした、
土曜・日曜開講の「化学分析学科」を設置しています。
週末を活用することで平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。
この学科に在学する学生の入学目的は、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など多彩です。

実験を終えた後にレポートを作成することも実験の中で大事なことであり、
企業でも分析結果をレポートにまとめるので、
授業の中で学ぶことは就職に役立つことがたくさんあります。
様々な技術と知識を習得するため、我々教員は丁寧な指導をしていきます!

byあららん