せんせのブログ
初歩から学ぶ基礎化学実験
2021.05.17
大阪府に緊急事態宣言が発令されていることから、
本校では学生の感染リスクの低減のため、授業はオンラインで実施しています。
しかし、本校は技術を修得するための学校であり、
技術修得には実際に手を動かすことが大切ですから、
以下のような感染予防対策を講じた上で、実験は登校して対面で実施しています。
本校の取っている感染予防対策は以下の通りです。
・発熱など体調に不安のある学生は登校を控える
・本校の教職員、学生のマスク着用
・検温
・こまめな手指の消毒のために校舎入口、各教室入口、トイレ等に消毒用アルコールを設置
・トイレにハンドソープおよび便座消毒用アルコールを設置
・座席間隔の確保
・二酸化炭素濃度計を設置の上で、常時換気
本日、医療医薬分析学科と環境分析学科の1年生は基礎化学実験を行いました。
この実験は化学分析の基礎を一から学ぶ実験です。
本校は日本で唯一、化学を専門的に学べる専門学校です。
そのため、入学してくる方は高校で理系クラスだった、化学が得意な人と思われがちですが、
実はそのようなことはありません。
白衣に憧れたり、科学捜査研究所を舞台としたドラマがきっかけで理系に憧れたり、
高校では理系科目より文系科目の成績が良かったので文系に進んだけど実は実験が好きだったり、
などの理由から、文系出身、商業系出身の方も多数入学して来られ、
その数は全学生数の半分近くになります。
さらには、高校で理系クラスにいた方でも、高校ではほとんど実験をしなかった方も多く、
これらの状況から、本校では1年生の前期に化学実験の基礎中の基礎からしっかり学べる
「基礎化学実験」を実施しています。
笑顔なのは実験が楽しいということもありますが、
実験が指示された通りに上手にできたので、見せてくれているのです。
まだ実験を始めて一ヶ月ほどですが、少しずつ実験が上手に行えるようになってきました。
こちらは、容量を正確に量り取る時に使うガラス器具を量り取る溶液で洗う共洗いという操作を行っているところです。
操作方法が身についてきたようで、教わった方法で丁寧に操作していました。
このように、この実験では器具の名称や取り扱い方を1つ1つ学んでいます。
上の写真は化学分析の1つである滴定という実験を行っている様子でしたが、
この実験では、化学のモノづくりである合成という実験も行っており、
化学実験の様々な手法を経験します。
こちらは鎮痛薬の有効成分であるアスピリン(アセチルサリチル酸)を合成しています。
ガラス棒で三角フラスコの壁をこすって、アセチルサリチル酸の結晶の析出を促しています。
学生たちは
『写真でしか見たことがなかった器具を初めて扱う時はちょっと不安でしたが、
先生方が丁寧に演示をしてくださったり、個別に指導してくださったりしてくれるので、
不安は解消できています。』
『まだまだ1つ1つ確認しながら操作している状態ですが、
一人で操作できるようになってきて、ちょっとずつ自信を持てるようになってきました。』
『アセチルサリチル酸の結晶が出てきた時にはうれしくなりました。
思っていたよりも小さな結晶でしたが、キラキラしていて、白くてきれいです。』
といった感想を話してくれました。
1つ1つの技術を着実に覚えていくと、実験がうまくなった実感が得られて、
さらに実験が楽しくなり、技術の修得もより進みます。
そのためにも、じっくり、しっかり、技術を体に覚えさせていきましょう!!
by みなと