2021.09.29
本日、本校と企業との連携授業の1つである「化学実務駅伝」を実施しました。
化学実務駅伝とは、学生たちが、日々学んでいる化学が社会でどのように役立っているかを実感し、
化学を仕事にすることを具体的にイメージできるようにすることを目的とした、
今年で16年目になる就職関連の授業です。
そのために、企業において化学の現場で日々仕事をされている方にお越しいただき、
現場の生の声を直接お話しいただいています。
このように、この行事ではリレー方式で、毎回1社の企業の方にお越しいただくため、
駅伝と呼んでおり、今回で53回目になります。
なお、今回は新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、
企業と本校をオンラインで結び、リモートでの実施となりました。
今回、ご講演いただいた企業は、本校に求人をくださっている企業の1つでもある東洋エアゾール工業株式会社です。
東洋エアゾール工業株式会社は、スプレー缶に代表されるようなエアゾール製品などの受託製造を行っておられます。
様々な分野の企業から依頼を受けて、化粧品などの充てん物の最終の調整・調合を行った上で、
スプレー缶やボトルなどに充填を行っています。
扱っておられる製品はヘアケア製品、化粧品、塗料、消臭剤、殺虫剤、医薬品など多種多様です。
ご講演では、エアゾール製品とは何かといった基礎から、取り扱っておられる製品の種類、
スプレー缶ができあがるまでの工程と保有する設備、
品質管理など化学を活かす仕事の内容と使用している分析機器などをご紹介いただきました。
また、幅広い製品への受託や顧客ニーズへの対応のための、医薬品分野で重要なGMP基準の準拠や、
品質管理や環境管理の国際規格であるISO9001・ISO14001の取得などの
企業の取組みについてもご説明いただきました。
学生たちは、企業の現場で化学を活かして仕事をしている方の話を聞いて、
自分たちが日々、授業で学ぶ知識、実験で修得する技術が、
企業や社会において、どのような仕事に活かされており、
分析化学がどれほど意義のある技術であるのかということを実感できたようでした。
特に1年生にとっては、分析機器の基本的な取扱い方を修得する
機器分析化学実験が始まったところというタイミングでもあり、
実験で学ぶ分析機器が実際に企業の現場で使われていることを知って、
より一層、実験へのモチベーションが上がった様子でした。
企業の現場の方から直接話が聞ける貴重な機会ということで、
学生たちはしっかりメモを取りながら、真剣に話を聞いていました。
また、質疑応答の時間には学生たちから積極的に質問がありました。
この他にも、取得しておいた方が良い資格や製造工程に関する質問などがあり、
1つ1つ丁寧に回答していただきました。
ご説明いただきました東洋エアゾール工業株式会社の皆様、本日は本当にありがとうございました。
学生の皆さんは、本日の講演を聞いて感じた刺激を忘れず、明日からの授業や実験、学校行事を通して、
化学の現場で活躍できる人材へと自分磨きを続けていきましょう!
by みなと