2022.05.30
本校は平日開講の学科に通学できない社会人や大学生、フリーターや主婦などを
対象にした土曜・日曜開講の「化学分析学科」があります。
この学科では平日に通学する学科と同様に2年間で卒業でき、取得できる資格も同じです。
また、学年定員20名なので学生ひとり一人に丁寧な指導ができることも特徴です。
働きながらでも分析の知識や技術を幅広く学ぶことができ、
卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・
化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できるため、
化学の知識の学び直しや化学系の資格取得を目的とした方々が入学してこられています。
70%が新卒高校生の平日開講学科に比べ、化学分析学科の学生は年齢層も幅広く、
今年度も20代前半から60代の方まで幅広く入学し、学んでいます。
今日の1年生は実験ガイダンスの日でした。これまで3つの実験を経験しましたが、
さらに後半の実験手順について説明する日です。
そのガイダンスは午後からの授業時間の半分ほどで終え、
その後の時間は昨日行った微生物を用いた水質調査の実験の残り、微生物検査を行いました。
(今日はシャーレ中の微生物数の観察だけなので保護眼鏡は使用していません)
大阪市内の中心に近い位置にありながら、公園や河川も近くにある本校では河川の水質調査なども実験で経験します。
本校の前を流れる大川から水を採取し、どの程度の微生物がいるかを確認しました。
微生物の実験というとシャーレというガラス器具を思い出す方も多いでしょう。
学生達もシャーレに寒天を入れ、その中で、またはその表面で微生物が増えるかどうかの実験を行いました。
河川水中の微生物が多すぎると『微生物が数え切れない』と言うことが起こりうるので、
10倍に薄めたもの、100倍に薄めたものも用意して実験しています。
実験の結果、シャーレを見ると希釈していない原液では微生物の増殖が確認できましたが、
希釈したものではほぼ確認できませんでした。
でも例えばプールの遊泳基準と比較してみると大腸菌はそもそも検出されてはいけないとされていますので、
すくなくとも学校前の河川は遊泳には適していないだろうと考察することができますね。
今日は同時に2年生が河川水中のリンの量を測定していました。
培養したシャーレをみた2年生のSさんは『去年はそんなに検出されなかったのに、今年はこんなに微生物いるんですか!』と驚いていました。
微生物の検出は、天候や気温などで結構左右されます。
大阪では木曜日にかなりの雨が降り河川の水量も増えています。
川の底の方にいた微生物もかくはんされて、表層の水にもかなり含まれていたのかも知れません。
1年生は『微生物(のコロニー)が出ないと実験としては面白くないですけど、これだけ
出たってことは結構大腸菌などがいるって事なんですね。』と語っていました。
目に見えないものを様々な手法で見える化して、分析していくおもしろさを感じてもらえたでしょうか。
これからも楽しみながら実験を進めましょう。
by ドラいちろう