2022.06.11
ちょっといつも実験をする時に着る白衣とは異なる様子の2年生たちです。
今日は卒業生の活躍する企業へ訪問し、実際の分析現場などを見て学ばせていただきました。
上の写真は、工場内を見学する際、企業側より準備いただいた白衣に着替えたときの様子です。
安全第一ということで、ヘルメットや保護メガネなども準備いただき、装着しました。
本校では、将来の仕事を考える機会としてさまざまな行事があります。
その一つとして、現在、本校に求人をいただいている企業や卒業生が活躍している企業を訪問し、
実際の分析現場を見て学ばせていただく「企業等実習」という行事を実施しています。
今年度もコロナ禍が続く中、いくつもの企業に少人数での訪問を受け入れていただくことで実習を行っています。
今年度の2年生を対象とした企業等実習の様子はコチラからご覧ください。
・現場の先輩から学ぶ ~企業等実習①~
・現場の先輩から学ぶ ~企業等実習②~
・現場の先輩から学ぶ ~企業等実習③~
就職活動を進めている学生は、実習後に求人へ応募したいという想いも持ちながらの訪問となります。
今回は5名の学生を引率して「株式会社神戸製鋼所 茨木工場」様に伺いました。
神戸製鋼所というと「コベルコ(KOBELCO)」としても有名で、聞いたことがあるという方も多いと思います。
日本を代表する企業で、110年以上にもわたって日本産業を支えている企業の一つです。
その名の通り、鉄などの素材を取り扱っておられる企業ですが、
それ以外にも電力や機械事業など複合的に事業を展開されている企業で、それを強みとされています。
日常生活を送る中でこちらの製品の存在を感じることは少ないかもしれませんが、
間違いなく私たちの生活を支えている製品を日々開発し、製造されています。
訪問すると採用担当のA様に出迎えていただき、企業全体の説明と茨木工場で製造されている製品の説明の他、
求人内容にも関わる福利厚生や勤務条件、教育体制などについて丁寧に説明をいただきました。
こちらの茨木工場で製造されているのは、鉄と鉄をくっつける接着剤の役割を果たす「溶接材料」です。
日本全国で使われる溶接材料の6割はこちらの工場で作られています。
家やビルに限らず、明石海峡大橋やスカイツリーなどの大きな建造物、自動車や船舶など、
ありとあらゆるところで溶接材料が大量に使われています。
溶接って「単に鉄のような素材をくっ付けるだけなんだろう」と思われるかもしれませんが、
素材や使われる環境に応じて、溶接材料の特性も合わせていく必要があります。
製造されている溶接材料の種類は、なんと「12,000種類」にもおよぶのだそうです!
「中には赤字の製品もあるけど、それがなければできない工事や製造現場があるため、
それらを下支えする気持ちで、お客様のニーズに応じた製品を少量でも、時には手作りで作っています」
と、仰っておられました。
その後、説明を受けた会議室から冒頭の写真で紹介した白衣に着替え、工場内を回らせていただきました。
機密事項が多く写真撮影はできないため、言葉だけでの紹介となりますが、分析と化学を学ぶ本校学生に合わせ、
また、卒業生も活躍していることから、分析室をしっかりと見せていただきました。
学校にもある実験器具が大量に並んでいる様子や、見たことのある分析機器やさらに高度な分析機器などを見て、
実際の分析室の方に質問をすることもできました。
また、実際に働く卒業生とも話をすることができました。
「分析がしたいと思って専門学校に進み、学校で分析を学び、今はそれをしっかりと活かせる場所で日々分析を行っています。
就職活動も大変かもしれないけど、頑張ってください」と励ましの言葉もいただきました。
また、最後に質疑応答の時間もいただき、学生は積極的に質問をしていました。
「工場内には、いくつか資格に関する掲示がされていましたが、
分析という現場ではどのような資格が求められますか?」
と学生が質問をすると、
「危険物取扱者、有機溶剤作業主任者、化学分析技能士などです」
との返答をいただきました。
いずれも、本校で学生に取得を推奨している資格ばかりです。そのため、学生たちが取得を目指している資格であり、
既に取得している資格でもありました。
学生は、学んでいることが活かせる仕事であることを改めて実感できた様子でした。
今回の実習を終え、企業の魅力や強み、実際にどのような分析が行われ、どのような技術が求められているのかを学ぶことができました。
訪問した学生の中には、これからこちらの企業の求人を受けたいと考えている学生もおり、貴重な時間となりました。
実習に参加したKくんが実習後に感想を話してくれました。
今回、実習の機会をいただきました株式会社神戸製鋼所 様には改めてお礼申し上げます。
それぞれの学生が刺激をいただき、今後の就職活動の励みにもなりました。
学生のみなさんは、体感したことを今後の学校生活でも活かしてくださいね。
by ぽてと