2022.07.02
今日は1年生の基礎化学実験を行いましたので、その様子を紹介します。
基礎化学実験では6つの実験を行います。
それぞれで扱う器具が異なるため、1年生はこの実験を通して様々な実験器具の取り扱い方を基礎から学んでいきます。
「じゃあ実験を始めよう!」とスタートしたのがこちら。
実験だというのに、下の写真の学生がいる場所は学校前に流れる川の前です。
「大川」という川で日本三大祭りの1つでもある天神祭の時にはメイン会場にもなる川です。
その川を目の前にして、1年生がバケツを持って話し合っています。何をしているかというと、今から川の水を汲み上げようとしているのです。
今回行うのは細菌学的検査という実験です。「大腸菌」という微生物の名前をどこかで聞かれたことはあると思います。納豆菌や乳酸菌などと同じ微生物の一種です。
この「大腸菌」を含めた微生物の数を調べることで、川の水がきれいかどうか、つまり水質は良いのか悪いのかを分析することができます。
今回は実際の調査ではありませんが、持ち帰った川の水を仮の試料として河川の水質調査を調べる目的で川に生息する微生物の数を調べました。
下の写真は、実験室に戻って説明をしているところです。
今回の対象となるのは目に見えない微生物たちです。空気中にもいろいろな微生物が漂っているため、それらが採取した川の水に入っては困ります。そのため、実験手順がとても大事になるのです。学生たちはメモを取りながら説明を聞いています。
「では早速、実験で微生物の数を求めよう!」といっても、すぐにはわかりません。微生物は小さな生き物なので培養という操作を行って微生物を増やし、数を求めることになります。培養する際に使うのが培地と呼ばれる微生物の寝床のようなものです。
下の写真の丸いシャーレという容器に入っているのが培地です。この培地には寒天が入っているので、料理のゼリーを作っている感覚です。
そこに採取した川の水を手早く加えていきます。手際よくやらなければいけないので、チームワークが必要になります。お互いに役割を分担して取り組んでいます。
この操作でできたものを、1日培養することで、菌数を求めることができるようになります。
ということで、実験結果はまだ出ません。相手が生き物なので、ちょっと時間がかかりますが、仕方ないですね。培養して、本当に微生物が増えてくるのかと考えながら待つのも楽しいですね。
こちらの動画は、川の水を汲んでいるときの様子です。
バケツを川に投げ入れるだけでも楽しそうな学生たちの様子をご覧ください。
下の写真は、実験中のオフショット。
カメラで実験の様子を撮影していると、ポーズを決めて撮ってくれとせまってくる学生!
ちなみにこの二人は、富山県や香川県の出身です。本校に関西圏以外から来ている学生は珍しくありませんが、それぞれの夢に向かって化学や分析を専門的に学べるところを探し、本校を見つけて入学し、頑張っています。
左のMさんは、香りに興味があり、将来は調香師になりたいという夢を持っています。教室の席も近かったこともあり、仲良しの二人です。
高校の時に化学や実験を学んできた訳ではないので、今はイチからコツコツと学んでいるところです。今日の実験も初めて行った実験ですが、頑張って取り組んでいました。まずは経験することが大事です。
この実験を行うまでは「微生物って何となく小さい生き物なんだろう」というレベルでしか認識できていなかったものが、実験をしたことでより身近に感じるようになりました。
2人が就職先として目指している食品や化粧品分野でも、必ず微生物を調べる分析を行います。これから少しずついろいろな分析技術を身に付け、夢を叶えてもらいたいです。
By ぽてと