2022.07.05
今日は1年生の基礎化学実験を紹介します。
下の写真は、ある実験に取り組む1年生の様子です。
自ら作った(合成した)医薬品成分にもなる化学物質を分析しているところです。
分析の目的は、合成した化学物質がきれいかどうかを調べることです。きれいな程度を「純度」と呼び、これを分析して明確にしていこうという実験です。
実際の医薬品分析の現場でも行われる分析技術の一つで、目的の物質以外に不要な物質があれば、医薬品として使用することはできません。そのため「不純物が含まれていないか」「適切な純度なのか?」を分析することはとても重要な分析項目です。
1年生は本校入学までに実験経験のない学生がほとんどですが、入学した4月から3カ月が経ち、この数か月間で様々な実験を行い、少しずつ慣れてきました。この基礎化学実験では、4月に行った初回、実験器具の名前や扱い方の説明を行うところからスタートしました。
その時のブログはコチラです。
▼初めての実験室!~授業開始~
基礎化学実験では6つの実験に取り組みますが、既に医薬品にもなる化学物質の合成実験も行いました。今回は医薬品の純度を分析していますが、1年生自身、3カ月前には考えられなかったことでしょう。
最初の写真では、白い板の上に分析したい化学物質を滴下していましたが、その後、どのように分析したのかを紹介します。
下の写真のように別の溶液が少しだけ入った容器の中に漬けます。すると、白い板の上を、液体が下からジワリジワリと染み込んで上に登ってきます。
そうすることで、滴下した化学物質に含まれている成分が分離し、どのような物質が含まれていたのかを見ることができます。下の写真は、最後に結果を確認しているところです。
紫外線という光を当てると、見えなかった成分が光って見えるようになります。
上の写真の彼らが見ているのは、下の写真のような結果です。青白く光る点が、いくつか見えます。この点を見て、不純物の有無を判定します。こうして、医薬品成分の分析が一つできるようになりました。
下の動画は、このブログの最初にお見せした写真で行っている実験操作の様子です。
1年生は着実に今まで使ったことのない実験器具などを使いこなし、気づけば医薬品の分析ができるようになっています。
本校では週2回の実験がありますので、これからもたくさんの実験を経験して、分析技術を磨いていってくださいね。
By ぽてと