2022.07.30
本校では昨年度から文部科学省の委託事業である「専修学校における先端技術利活用実証研究」(専修学校遠隔教育導入モデル構築プロジェクト)として、「化学分野等における先端技術を活用した実習科目の遠隔教育モデル構築事業」に取り組んでいます。
2年目となる今年度も6月に正式に採択され、本日、今年度の第1回目の実施委員会を行いました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でリモート授業のニーズが高まっています。しかし、遠隔で授業はできても、実験実習となれば実際に実験室で行う必要があり、十分な教育効果を上げることが難しいという実情があります。
そこで、本事業のタイトルにもありますが、これをあえて簡単に一言で表現すると「化学実験をVRでできるようにしよう!」ということで、本事業では新たな実験実習のモデルを作ることを目的としています。
この化学実験を仮想空間の中で実施できるようになれば、化学分野だけでなく関連分野へも展開でき、さらには社会人の学び直しや高校と専門学校と連携した教育活動にも広げられるものと考えています。
この事業を進めるための実施委員会は、本校の重里校長が委員長を務め、 日本化学会、大阪府職業能力開発協会、複数の高等学校、 大阪府専修学校各種学校連合会工業部会、化学分野やインターネット産業に関わる企業や団体、そして複数の専門学校など、多数の皆様に委員としてご参画いただいています。
昨年度は、実験VR化のニーズ調査を行うと共に、VRの最新技術から何ができるのかを調べ、実際にVR化された化学実験の試用版まで開発することができました。昨年度の2月に実施した成果報告会は以下のブログをご覧ください。
▼文部科学省委託事業 成果報告会 ~試用版実験VRが完成!~
今日の実施委員会では、昨年度の本事業の振り返りと共に、実際に試用版として開発したものを今年の5月に本校の教員や学生たちがVRゴーグルを装着して、体験した様子を報告しました。下の写真は、その時の様子です。
ブログでも紹介していますので詳しくはコチラをご覧ください。
▼化学実験をVRで体験! ~文部科学省委託事業~
仮想空間で見えている画像はお見せできませんが、下の写真の資料にあるような映像がゴーグルの中で見えています。
一人ずつの実験室があり、その実験台にはビーカーや薬品などがあります。それらを操作用のスティックを使いながら、手に取ったり、水を入れたり、試薬をはかり取ったりと、実際の実験で行う操作を仮想空間の中で行うことができます。試用版ではありますが、単に文字だけを見て学ぶよりも、はるかに具体的に実験の手順を体感しながら学べます。
これらの報告を行った上で、各委員からは今後の方向性についてのご意見をいただきました。今後の展開に期待できるというご意見や励ましと共に、方向性について賛同いただきました。
今年度は、昨年度に試用版として開発したVR実験のさらなるブラッシュアップを行います。さらにその先は、新たな実験でもVR化を進めていくこととしています。
これらが開発・構築できれば、化学分析技能士という実技試験のある国家資格の対策としても活用でき、化学分析技術の修得を目指す本校学生だけでなく、高校生や社会人などにも範囲を広げていけるものと考えています。
今日も、お時間の限られた中で、しかもコロナ禍にも関わらず、来校やリモートでご出席いただきました各委員のみなさまには改めてお礼申し上げます。実験のVR化は着実に進んでいます。今後も活動の進捗はこのブログでもご報告していきます。
これまでの本事業の成果や、その他の文部科学省委託事業に関する成果はコチラのページにまとめていますのでご覧ください。
By ぽてと