2022.09.26
本校には土曜日、日曜日だけ開講している『化学分析学科』という学科があります。
この学科は高校卒業すぐに入学することも出来ますが、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得のための授業を行っています。
学生達は本校での学習の結果、就職や転職、今のお仕事でのスキルアップ、資格取得などを目標としています。
毎週土日のみの通学ですが、平日通学学科と同様に2年間で卒業でき、取得できる資格も同じです。
また、学年定員20名なので学生ひとり一人に丁寧な指導ができることも特徴です。
卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できるため、資格取得を目的とした方の入学も増えています。
今日の化学分析学科1年生は機器分析化学実験に取り組みました。
前期から機器分析法Ⅰという授業はあるものの、実際に仕事でも用いられる分析機器を扱うのはこれで2日目です。前回は川の水の濁りを調べたのですが、今回は溶液中に含まれる鉄の量を分析します。
分析に用いたのは『分光光度計』や『吸光光度計』と呼ばれる装置です。光を当てて、溶液中の物質の濃度を調べる機械です。私たちもお茶やコーヒーの色を見て、『さっき飲んだお茶より薄そうだな』などと感じることがありますが、正確に何倍濃いか薄いかは判断できません。この機器を用いるとそこをきちんと測定してくれるのです。
食品分析や医薬品分析、環境分析など幅広い分野で使われている分析機器で、一番広く用いられている機器と言ってもいいぐらいの機器です。
この機器を扱うのは2回目ですが、同様の機械操作を繰り返し行っていましたので、たいぶ手慣れてきているようです。今日もM先生の指導の下、測定を行います。
測定に用いる液は以下の写真のような色をしています。
鉄イオン(Fe2+)を含む溶液にある物質を加えるとオレンジ色を示します。鉄が多ければ多いほど色が濃くなります。この写真では右から左に向かって濃度が濃くなっていることが分かります。
この分析機器ではこの現象を利用して鉄の濃度(含有量)を求めることができるのです。
溶液の作り方が上手くいってると、鉄の濃度と色(吸光度)がきちんと比例しますが、きちんと作れていないとガタガタなグラフになってしまいます。
さて実験は上手く行ったのでしょうか?
結果として学生達の実験は上手くいっておりグラフもまっすぐなグラフになることが分かりました。
実験を終えて学生達は『今まで授業で習っていたけど、実際にやってみると説明されていたことがよく分かるようになりました』と語っていました。
本校では実験時間が多く、機器分析法Ⅰ、Ⅱで学ぶ分析機器はすべて学ぶことができます。私が大学で学んだ分析機器は3つだけでしたから、これは化学の専門学校の大きなアドバンテージだと思います。
これからも様々な分析機器を学んでいきます。授業のことを思い出しながらしっかり身に付けていきましょう。
by ドラいちろう