世界に醤油を広めたい ~卒業生訪問~
こんにちは、校長の重里です。
今日は取材で、32年前の7期卒業生・
新古敏朗さんを訪問するため和歌山の湯浅に行ってきました。
新古さんは、湯浅醤油有限会社、丸新本家株式会社の両代表を務めておられます。
お醤油で食品のオリンピックとも言われるモンドセレクションを、17年連続で金賞を受賞されるなど、起業家として本校卒業生では最も有名な方と言っても過言ではありません。
下の写真の杉樽で、ゆでた大豆で作ったもろみを2年近く寝かせて熟成させるそうですが、この杉樽自体は100年近く前のもので、この樽を作れる職人さんはもう国内ではほとんどおられないそうです。
下の写真のように、時折攪拌して酸素を送ります。
学校生活で印象に残ってることを伺うと、色んな地域の人との出会いと別れ。また、別世界であった化学の世界で、分析機器もまったくわからない状態から、化学とはこういうものだと知ったのが衝撃的だったこと。実験も毎回新しいことで楽しく、化学で何でもできるのではと思ったと、当時を思い出しながらお話くださいました。
今の仕事でも、専門用語もわかる、分析して出た数字を見て理解ができること。また、色んな仮説を立てるのにも有利に働いて、商品開発につながる。例えば、醤油は大豆を分解してアミノ酸になるということを始め、その工程では化学変化が時系列で起こったり同時に起こったり。それを少し変化させるとどうなるかを考えるのが化学で、それがおいしさへの追求につながっているとも。
入学を考えてる人へアドバイスをお願いすると、普通科から本校へ入学する際には、「宇宙に行く感覚」だったが、身の回りのことは何でも化学で解決できることを知った。商品に火を入れる、熟成させる、調味料の順番を考えること、これらをすべて化学の視点で考えると楽しい。
化学と思うから難しくなるが、炭で肉を焼くとおいしい。それをおいしいと思うだけでなく、興味をもったことを解き明かしていく手段の一つが、化学と考えると、こんなに生活に密接な技術はないと力説くださいました。
また、今でも卒業生同士はつながっておられて、
例えば食品会社の要職につかれている同窓生とは、
商品開発で相談し合ったりされているそうです。
そして、今後はフランス・ボルドーで醤油作りをされるなど、
もっと醤油を世界に広めたいという熱意を語ってくださいました。
ここではまだ明かせませんが、本校と共同研究ができるテーマも検討していこうと約束をしてきました。
卒業生の活躍を目の当たりにして、これからも励まねばとエネルギーをもらいました!
ぜひこれらのことも学生たちや入学を検討されている方々にもお伝えしていこうと思います!
by 校長(元ハンドルネーム/かりめろ)