2022.10.04
現在、2年生は2年間の集大成とも言える卒業研究に取り組んでいます。
その卒業研究の一環で、本日、兵庫県立フラワーセンターにサンプリングに伺いました。
学生たちが食虫植物の消化液をサンプリング中です。貴重なサンプルなので、丁寧に採取していました。
本校の卒業研究はチームで取り組んでおり、まず2年生の前期にそれぞれの学生が取り組んでみたい研究テーマを基にチーム分けを行った上で、具体的な研究計画を立てます。そして、後期から実際の実験を行い、結果をまとめ、最終的に卒業論文の作成と発表を行います。卒業研究の成果発表は毎年2月に、求人をくださる企業の方、学生の保護者や出身高校の先生方など外部の方も参加されて、盛大に行います。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
卒業研究のテーマ選びでは、まずは学生たちのやってみたいことを募ります。学生によっては日頃から疑問に思っていたこと、以前から興味を持っていて是非調べてみたいと思っていたことを希望テーマとして出してきます。それ以外には、先輩の卒業研究発表会を聞いて、自分も同じテーマを続けて研究してみたいと思う学生もおり、継続研究となるテーマもあります。
継続研究となっているテーマの1つに「食虫植物の消化液の機能性探索」がありますが、このテーマは兵庫県立フラワーセンターと連携して取り組んでいる共同研究です。
食虫植物とは、普通の植物が育ちにくい栄養の少ない土地で、根から養分を吸収するだけではなく、昆虫などの小動物を捕獲して、そこから栄養を吸収し、成長する植物です。食虫植物と一言で言っても、小動物の捕獲の仕方によって、いくつかの種類があり、葉が変形してできたポットのような捕虫器(虫を取る器)を持っている「落とし穴式」と呼ばれる捕獲方法を取るのがウツボカズラという種類です。
本校では6年前から兵庫県立フラワーセンターと共同で、このウツボカズラの捕虫器の中にある消化液が持つタンパク質分解などの機能性について研究を行っています。
兵庫県立フラワーセンターはウツボカズラをはじめとする食虫植物について国内有数のコレクションを誇る施設で、最近では見学施設内で育成しているウツボカズラが世界最大の捕虫器を作ったということでギネスの世界記録に認定されたことでも話題となりました。
サンプリングでは、捕虫器から消化液を吸い上げた後、その場ですぐにpHを測定し、色や粘性などの特徴とともに記録しました。また、職員の方から教えていただいた名前も記録し、写真も撮影していきました。
右から3人目の学生が採取とpH測定、2人目の学生が写真撮影と採取のフォロー、一番右側の学生が記録と、学生たちはうまく役割分担をして、連携を取りながら、効率的にサンプリングを進めていました。
実際のサンプリングの様子をぜひ動画でご覧ください。
学生たちは、原産地ではどんな所に生えているのか、どんな昆虫がよく入るのか、暑さや寒さへの適応などの特徴など職員の方が話してくださる豊富な知識に興味津々といった様子で、とても楽しんで採取していました。
これから、いただいた貴重なサンプルを使って、卒業研究の実験も本格化していきます。
1つ1つ丁寧に実験して、消化液の機能性の新たな一面を見つけていきましょう!!
by みなと