せんせのブログ

異国の地で頑張る学生を国連が取材に!

2022.10.18

本日、国連難民高等弁務官(UNHCR)の駐日事務所の方が、本校に在籍する留学生のNくんを取材するため、来校されました。
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医療医薬分析学科1年のNくんは、内戦が続くシリアから難民として来日、沖縄で2年間、日本語の勉強をした後、本校に入学してきた学生です。
Nくんは、本校に入学するにあたりUNHCRが行っている「難民専門学校教育プログラム」を活用し、UNHCRの支援を受けて、本校で勉学に励んでいます。

日本は難民の受け入れ基準が厳しいため、難民の認定を受けて来日し、日本で暮らしている方は少ないのが現状です。
そこで、UNHCRでは、難民問題への認知度の向上、日本で暮らす難民の方々への支援の広がりを目指し、難民として来日し、日本で学ぶ留学生の背景、学びの目的や叶えたい夢、学校生活などを取材し、動画の作成を行っておられ、その一環としてNくんの取材に来られたのです。

Nくんは母国であるシリアで薬学の大学を卒業しましたが、大学で学ぶうちに、薬剤師として働くよりも、もっと化学や分析化学を学び、製薬メーカーで研究開発に従事して、より多くの人々を救いたいと思うようになりました。
しかし、長い間、内戦の続くシリアでこれ以上学びを続けることは困難でした。そこで、学びを続けるため、難民として来日、まずは日本語を修得した上で、日本で化学や分析化学の知識と技術を学べる学校を自ら探して、本校に入学してきました。

内戦の続く母国に家族を残しての来日、日本語をきちんと修得しているとは言っても感じていると思われる言葉の壁、夢を実現できるか分からない将来など、たくさんの不安を抱えていると思うのですが、Nくんは誰にでも明るく元気に挨拶をして、授業や実験に真剣に取り組み、他の学生たちとも積極的にコミュニケーションを取るなど、日々を大切にして、充実した学校生活を過ごしています。

さらには、先週末開催しましたスポーツ大会では、実行委員会のメンバーとなり進行役を務めるなど様々なことにチャレンジしています。
なんとその結果、一日頑張った学生に授与される校長賞を獲得しました!
(スポーツ大会の様子はこちらからご覧ください)

このようなNくんの様々な面を知りたいということで、取材は本人へのインタビューだけではなく、校長や教員、クラスメイトへのインタビューなども行われました。
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入学前の面接の時からNくんのことを見てきた校長へのインタビューの様子です。

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入学前に面談し、相談に乗ってきた、ましおか先生や

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現在、Nくんの担任をしている私(みなと)にもインタビューがありました。
また、日々、Nくんと一緒に学生生活を過ごしているクラスメイトにも、Nくんの人となりや日々の様子を取材していました。

最後に、Nくん本人へのインタビューが行われました。



さらに、Nくんの学校生活の日常を伝えるため、実験や放課後の様子の撮影もありました。
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(右端がNくんです。)

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(右端がNくんです。撮影の瞬間だけマスクを外しています。)

今回の取材から、どのような動画ができあがるのか、とても楽しみですし、この動画通じて、難民問題への意識向上などのお役に立つことができれば、とてもうれしく思います。

そして、Nくん、これからもできる限りのサポートをしていきますので、医薬品分野で活躍したいという来日の目的を叶えるため、一緒に歩んでいきましょう!

by みなと