2022.12.11
本校には土曜日、日曜日だけ開講している『化学分析学科』という学科があります。
この学科は高校卒業すぐに入学することも出来ますが、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得のための学科を開講しています。
入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで、就職や転職を目指したり、化学や化粧品に関する資格取得などを目標としています。
毎週土日のみの通学ですが、平日通学学科と同様に2年間で卒業できることも特徴です。
今日の化学分析学科1年生は機器分析化学実験のガイダンスでした。今日は赤外分光光度計(FT-IR)と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などについて学びました。
FT-IRについては先日のブログでも紹介したニセモノの化粧品の分析などにも用いることができる機器です。
製品に混入した異物の分析などにも用いることができます。これまで学んできた分析機器は、成分の含有量を調べることのできる機器でしたが、この機器は調べているものが『何なのか』を調べることができます。
1年生での機器分析化学実験は、機器の扱い方やデータの処理方法を学ぶことを主眼にしているため、実験テキストに記載していることだけでは、なかなかこの機器を学ぶことによって何ができるようになるのか実感しにくいところがあります。
しかしながらその分析機器で調べた結果がニュースで報道されることなどを知ると、学生達も学んだ機器がどんなところで役に立つのか実感できるようです。またこの機器を使った実験の際には、取材協力の時にとったデータも学生に見せながら、ホンモノとニセモノが全く違う結果を示すことを実感してもらおうと思います。本校の学生は化粧品に関する資格を取得して、勤務先で『化粧品製造業責任技術者』となることを目指していたり自分で化粧品の会社を起業しようとする学生もいますので、この機器は特にしっかりと学んで欲しい機器です。
今日、この機器についてのガイダンスを実施するということを、本校卒業生で現在非常勤講師をしているH先生に話をしていたところ、『僕も、平日勤務している会社で同業他社の成分分析などをHPLCで行っていますよ』と仰っていました。CMもしていて売れ行きも良いというある製品について『あまり有効成分含まれていないですね』などを仰っていました。競合製品と自社製品との比較にも活用されているんですね。
代わって、実験室をのぞいてみると2年生が卒業研究をしていました。ちょうどこのグループは1年生がガイダンスで聞いていたFT-IRを使って毛髪のダメージなどについて研究をしているようです。ヘアケア製品などを販売している学生もいますので、仕事と卒業研究がコラボレーションしています。
卒業研究もそろそろ大詰めです。最後まで頑張ってくださいね。
by ドラいちろう