2023.02.21
現在、医療医薬分析学科の1年生には、シリア難民でもある留学生のナクワンくんが夢を叶えるために学んでいます。
(先日、トルコとシリアで大きな地震がありましたが、ナクワンくんのご家族は無事とのことです)
ナクワンくんは内戦の続くシリアから難民として来日、国連難民高等弁務官駐日事務所(UNHCR)の支援を受けて本校で学んでいることから、昨年10月にUNHCRの方がナクワンくんの頑張りや思いを多くの方に知ってもらいたいと取材に来られました。
【取材の時の様子はこちらから】
異国の地で頑張る学生を国連が取材に!
そして、ナクワンくんの記事と動画がUNHCRのホームページで公開されました!
ナクワンくんは母国シリアで薬学の大学を卒業しましたが、内戦が続く中、薬学の知識を活かして就職することは難しかったこと、薬学を学ぶうちに薬剤師として目の前の患者さんを救うよりも医薬品メーカーに就職することで、より多くの人を救いたいと思うようになったことから、新たな学びの道を模索していました。
特に、以前から日本に興味を持っていたため、日本に行けば、将来が開けるのではとの思いがあったそうです。
しかし、日本は難民の受け入れ基準が厳しいため、難民の認定を受けて来日し、日本で暮らしている方は少ないのが現状です。
そのような中、思いが通じて難民留学生として来日する機会を得て、2年間沖縄の日本語学校で学んだ後、UNHCRが行っている「難民専門学校教育プログラム」を活用して、本校に入学しました。
そして、「難民専門学校教育プログラム」を通じて難民留学生の支援を行っているUNHCRでは、日本で暮らす難民の方々への支援の広がりや難民問題への認知度の向上を目指して、日本で学ぶ難民留学生の背景や目的、実現したい夢とそれに向けた頑張りを取材し、ホームページで公開しておられます。
このような経緯からナクワンくんに取材があり、その思いがUNHCRのホームページで公開されたのです。
医薬品分野でより多くの人の役に立つ人材になりたいとの強い思いで学んでいるナクワンくんですが、内戦の続くシリアに家族を残しての来日、日本語学校に通ったとは言っても感じていると思われる言葉の壁、日本の医薬品分野に就職したいとの希望が実現するか分からない不安など多くのことを抱えての毎日だと思います。
しかし、そのような中でもナクワンくんは、周りの友達と楽しく学校生活を過ごし、分析化学の技術と知識を積極的に学んでいます。
1年間かけて学んできた滴定の技術力を確認する実技試験の時の様子です。真剣そのものです。
先日行われた企業紹介講座では積極的に質問していました。日本語が完璧とまでは言えない中でも、臆することなく前向きに行動する姿は他の学生たちに良い刺激となっています。
勉強だけではなく、学校行事にも積極的です。昨年10月に行われたスポーツ大会では、司会進行を務めるなど大活躍し、その日一番輝いていた、たった一人の学生に贈られる「校長賞」を、教員全員の協議の結果、受賞しました。
そして、先日の国内研修旅行での1コマ。誰にでも分け隔てなくコミュニケーションを取れるナクワンくんには多くの友達がいます。そんな友達との和やかなひと時です。
また、ナクワンくんが本校に入学したご縁から今回の震災の支援を行おうと、学生たちの中からも動きがあるようです。
最後になりましたが、トルコとシリアを襲った大震災でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様の1日も早い復興を願っています。
by みなと