2023.05.17
今回は、1年生の基礎化学実験の様子をお届けします。
基礎化学実験では、分析技術の基本操作を学ぶだけでなく、最初はビーカー類などの実験器具の名前や
その取扱い方など、基礎の基礎から学ぶ実験です。
この実験で行うテーマの1つに、「アセチルサリチル酸の合成と精製」という実験があります。
アセチルサリチル酸と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか?
アセチルサリチル酸は別名アスピリンと呼ばれます。
解熱鎮痛薬の有効成分として、とても有名です。
そして、さまざまな医薬品をつくるときの素材として汎用されています。
実験は2段階で構成されています。
1段階目は、アセチルサリチル酸の合成です。
アセチルサリチル酸を構成する素材を混ぜ合わせて、つくる操作になります。
2段階目は、アセチルサリチル酸の精製です。
先ほどの段階で得られたアセチルサリチル酸を取り出す操作になります。
まずは、液体の中に、固体としてアセチルサリチル酸が得られるので、固体と液体を分ける作業が必要です。
本校に入学するまで、ビーカーを持って実験をしたことのない学生も少なくない中、
1年生が先生に教わりながら、コツコツを実験に取り組んでいました。
この作業を行っている学生にカメラを向けてみました。
とても楽しそうですね!
この操作を行った後、とてもキレイなアセチルサリチル酸とするために、もうひと手間を加え、
アセチルサリチル酸のみを取り出します。
実際に、アセチルサリチル酸を回収した学生にも声をかけてみました。
実際に自分たちでつくったアセチルサリチル酸の固体を見ながら、形状や色、匂いなどを確認していました。
実験で大切なことのうちの一つに、五感を研ぎ澄ませながら観察することがあります。
学生たちはよく観察して、実験ノートにまとめていました。
とてもいい姿勢だなと感心しながら見守っていました。
最後に、本日の実験の感想を聞いてみました!
たとえ同じ作業でも、人によって違う感想を持っているのはおもしろいですね。
本日の実験は、操作として、それほど難しいものではありません。
しかし、素材を組み合わせて、新たなものをつくるという点で、自らがミクロの世界に携わっているという奇妙な感覚があります。
今後もそんな感覚を味わってもらいながら、実験を楽しんでほしいと思っています。
by ナマステ