2023.07.30
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、
土曜と日曜開講の「化学分析学科」を設置しています。
週末の土曜と日曜の時間を有効に活用することで、化学分析の知識や技術を
修得することができ、平日の学科で学ぶ環境・材料・バイオ・食品・医薬品・化粧品等の
専門分野を総合的に学ことができます。
また、週末だけの通学ですが、平日の学科・コースと同様に2年間で卒業でき、
毒物劇物取扱責任者、化粧品製造業責任技術者、化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に無試験で取得することが可能です。
「化学分析学科」では、定員20名の少人数制なので、目の行き届いた実験や講義が行われます。
このため初めて化学を学ばれる方や勉強から少し離れていた社会人でも安心して実験や授業を
受けることができます。
化学分析学科2年生の授業には容量分析法という授業があります。
この授業では滴定操作により、溶液の中の濃度や金属イオンの定量方法を学びます。
その中で「キレート滴定」呼ばれる滴定操作では、ミネラルウオーター中の
カルシウムやマグネシウムの含有量を調べることができます。
ミネラルウォーターはこの含有量の違いにより「硬水」と「軟水」に分類されます。
それでは、この硬水と軟水の違いを実験で化学的に検証してみましょう!と実験を行いました。
硬水と軟水に固形石けんを削り取ったものをそれぞれ加えて観察した実験では、
硬水は石けんの粉が溶け切らずに残ってしまうことがわかりました。
写真左が軟水、写真右が硬水です。
これは、石けんの主成分である脂肪酸イオンが水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと
反応してできたものであり、洗浄力のない水に不溶な金属石けんがつくられたことが分かりました。
また、紅茶のティーパックを加えた実験も行いました。
軟水は透明ですが、硬水は濁りました。これは、紅茶に含まれるタンニンとカルシウムが結びついたためです。
つぎの実験では、「フルーチェ」を使った実験で硬水と軟水の違いを検証しました。
フルーチェには植物の細胞壁と細胞壁をつなぐ接着剤のような役割を持っている「ペクチン」が
含まれています。このペクチンは2種類があり、フルーチェにはカルシウムの力を借りて接着できる
タイプのペクチンが含まれています。
硬水と軟水のそれぞれにフルーチェを加えてみると、カルシウムを多く含む硬水は
プルプルと固まりますが、軟水は固まらないことが分かりました。
このように身近なものを使って楽しく実験を行い、化学的に検証できることも本校の特徴です。
今後も身近なものを使って分析化学のチカラで検証していきましょう!
byあららん