2023.11.14
本日は医療医薬分析学科と環境化学分析学科1年生の機器分析化学実験の様子をお伝えします。
9月から始まった後期の実験授業では、前期の授業で修得した実験器具類の
取り扱いから分析機器による操作を修得する応用に入ります。
分析機器で測定する前に必要なことは、試料の準備(前処理)です。
前処理とは、試料を測定しやすい状態にすることですが、使用する実験器具類が
汚れていた場合、汚れも測定されてしまいますので結果に影響を与える可能性が
あるため、使用する前にはしっかりと実験器具類を洗浄することも大事な操作の一つです。
実験は、使用する分析機器ごとに班に分かれて実施します。
※写真撮影のため一時的に保護メガネを外しています。
コチラは「赤外線吸収スペクトル分析法」を行うために、試料を錠剤にする
前処理を行ってました。
「赤外線吸収スペクトル分析法」とは、赤外線という光の一種を使う分析方法です。
赤外線は、テレビのリモコンにも使われている光で、私たちの目には見えません。
この赤外線を試料に当てることで、試料がどのような化学的な構造をしているのかを
知ることができます。新たに開発・合成した物質の化学構造を確認するために使われたり、
製品の中に混入した異物の成分を分析する際に使用される分析方法です。
本日の実験では、フイルム表面の材質を測定しました。
フィルム表面の材質が測定できた様子です!
こちらの実験では、分光光度計という分析機器で川がどのくらい汚れているのかを
数値化して調べます。このためには標準となる試料溶液を調製し測定をします。
これにより、標準物質から川の汚れを調べます。
こちらの実験では、高速液体クロマトグラフという分析機器を使って
試料中に含まれているビタミンB1がどのくらい含まれているのかを
調べる実験です。
非常勤講師のK先生が分析機器の操作方法に加えて、分析機器の原理
なども丁寧に指導しています。
試料中に含まれている目的成分の量を調べる場合、分析機器に試料をセットすると、
分析・測定してくれますが、試料の調製がうまくできなければ正しい結果が得られません。
また、材料を調べるためには、測定する分析機器に汚れがあると汚れも測定してしまいます。
このため測定する前には、汚れがないことを確認することも大事な操作です。
今回の実験で分析機器の扱い方だけではなく、自分たちの「手」で行う前処理が
分析結果を左右することを学ぶことができたようです。
冬休みが入る12月いっぱいまで続くこの実験では、少なくとも7つの
分析機器を扱うことになります。このように本校では様々な分析機器
に触れることができます。
分析化学に必要な技術や知識を座学だけではなく、実務実践力によって分析技術を
修得できるのは本校のカリキュラムの特徴です。このブログを読んで分析機器に
興味を持っていただいた方や化学に少しでも関心を持っていただいた方は
11月19日(日)に学校説明会がありますのでお気軽にご参加くださいね!
学校説明会の詳細につきましてはコチラをご覧ください!
本日の 実験結果をレポートにまとめて今後の実験で活かしていきましょう。
我々教員がサポートしていきますので、わからないことがあれば何でも質問してくださいね!
byあららん