せんせのブログ

化学実験を身近に!~第2回土曜ハラタマ化学実験会~

2023.12.03

本日は今年度第二回目の「土曜ハラタマ化学実験会」を開催しました

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土曜ハラタマ化学実験会は中学校や高校の先生方や生徒さんに、
日頃はなかなかできない化学実験を楽しんでいただきたい
との思いから行っている会員制のイベントです。

実験を通して、授業や教科書では味わえない、

化学の面白さ、楽しさを実感できる機会となります。
平成14年度から年2回開催しており、毎回、参加者の皆様から
好評をいただいています。
今年度2回目となる今回も、高校生や高校の先生方にご参加いただきました。


まず今回実験会を行うにあたって、本校の協力学生の紹介をし、
次に実験担当教員からの実験の際の注意事項を話し、いざ実験室へ!

今回の実験テーマは以下の2つでした。

実験① チタンが織りなす色の世界

実験② 悪魔の液体!?磁性流体を作ろう!

一つ目の実験「チタンが織りなす色の世界」では、
陽極酸化を利用し、チタンの表面に色をつける実験を行いました。

チタンという金属は、銀白色で光を良く反射します。
チタンは酸素と結びつきやすい性質があり、
酸化チタンは、透明で光を良く透過します。
チタンの表面に薄い酸化チタンの膜があると、光の干渉によっていろいろな色に見えます。
そこで、水の電気分解を利用して、
水(電解液)に入れた2つの電極に直流電圧をかけて電流を流してみました!

チタン板を挟んだプラス極(陽極)からは気体の酸素が発生し、
ステンレス板を挟んだマイナス極(陰極)からは水素が発生しています。

写真は電圧の大きさを変えながら、チタンに好みの色が付くようにしている様子です。

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ゆっくりと表面の色が変化していくので、カメラで記録すると色の変化が分かりやすいです!

2つ目の実験「悪魔の液体!?磁性流体を作ろう!」では、
試薬を混合し、磁性流体を作りました。
混合する試薬の量や、時間がこの実験のポイントです。

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試薬を混合するときは、指導教員の説明通りに協力学生がお手本を見せてくれています!
くるくると撹拌させながら、試薬を滴下させます。
混合された液体の中から、強力な磁石を使って黒くどろっとした物体を集めます。

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ビーカーの中で寄ったり離れたりする黒い物体が凝集する様子を観察、興味津々です。
そして別の試薬をまた加え、強力な磁石で粘性の高い黒い液体だけを取り出します。
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これが磁性流体で、
磁石を近づけると磁性線が近づいたり離れたりする様子に、
全員「おぉ〜!」と声が上がっていました!

少しムズカシイですが、磁性流体の正体を説明します。

作成した磁性流体中のナノ粒子はばらばらのまま水中を漂います。

また水との親和性が高いため、周囲の水を引き連れて移動します。

磁石を使って磁場をかけると、磁性ナノ粒子が
磁場によって引っ張られるときに、
液体全体が外部磁場に反応します。

参加した高校生からは、
「学校ではできない実験が出来るので、楽しかったです」
「磁性流体は、動画で見るより、実際に見た方がすごかったです」


先生からは
「高度な機器を使わず、手軽で楽しい実験だった」
「授業に使えるネタを教えてもらった」

といった感想をいただきました。


ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
今回参加できなかった方も、次年度以降も開催を予定しておりますので、
興味がおありの方は是非ご参加ください!

Byミニー