2023.12.10
本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。
この学科は高校卒業すぐに入学することも出来ますが、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をするための学科です。
入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している者や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。
平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。そのため近年は資格取得を目的とした方の入学が増えているよう思います。
毎週土日の2日のみの通学で、平日開講学科と同様に2年間で卒業するため、1日の授業時間数は多くなりますが、それでも他校にはない特徴の学科と言うことで、例年全国各地から学生が入学しています。京阪神地区の学生が多いですが、静岡県や徳島県から週末だけ登校し土曜日の夜は大阪で一泊して日曜日の授業が終われば地元に帰るという生活をしている学生もいます。
先日行った中間発表会以降、学生達は軌道修正をしながら目標目指して卒業研究を行っています。
彼女たちはジーンズなどの藍染めに使われる藍という植物の成分の研究をしています。様々な手法を用いて研究を進めていますが、今日はHPLC(高速液体クロマトグラブ)という装置を使って分析をする予定をしています。
しかしセッティングを行っている最中、学生達から『先生、ポンプを動かしても圧力があがりません。廃液もでていません』との報告がありました。金曜日に平日学科の学生が使用していたときから移動相と呼ばれる液体を変えたのが原因かと思われましたが、成分を見てみるとほぼ同じ水と有機溶媒の混合液でした。溶液(移動相)交換の影響で何かが析出してしまったのではなさそうです。
このままでは実験ができないので、分解清掃を行います。これはあくまでも私の考えですが、本校は専門学校の8つある部門の中の『工業研究課程』に属する学校です。教える先生達は、『化学』だけでなく『電気』や『機械』にもある程度知識が必要です。ちょっとしたトラブル解消やメンテナンスはできるべきだと思っています。また可能なら学生達にもその様子を見せておくも必要だと思っています。
企業に就職してからは自分で修理することはなくても、修理に来てくれたサービスマンに故障の状況をきちんと説明できるようになるためには、今のうちに学校でトラブルシューティングを見ておくことは大事多と思います。私も学生時代に、先生達が研究室の危機の簡単な修理を自分たちで行っていたのを見ていたのが役立っています。
さて話は戻りますが、何カ所か詰まりが考えられるところを外して洗浄し、配管類を付け直すと無事移動相が流れ、ポンプの圧力もあがるようになりました。ちょっと時間をロスしましたが、これからしっかりと分析を行ってくださいね。
by ドラいちろう