せんせのブログ

文部科学省委託事業~VRで行う実験のメタバース化~

2024.01.26

いきなりですが、この写真、何をしているか分かりますか?
全員がVRゴーグルを装着しています。
左側で白衣をきているのが教員で、それ以外が学生たちです。
IMG_20240125_155626.jpg

実は、学生たち、「中和滴定」という化学実験を仮想空間の中で実験しているところです。
この写真だけでは、何をしているかわかりませんね(笑)。
でも、学生それぞれのVRゴーグルの中では、仮想空間(実験室)が広がっており、
一生懸命、実験を行っています。

本校では、文部科学省の委託事業として、このようなVR技術を用いて化学実験を学べる遠隔教育モデルを
開発しようと、令和3年度から取り組んでいます。正式には「専修学校における先端技術利活用実証研究」
(専修学校遠隔教育導入モデル構築プロジェクト)の一環として、「化学分野等における先端技術を活用し
た実習科目の遠隔教育モデル構築事業」というプロジェクトとして取り組み、今は3年間のプロジェクトの
3年目となる最終年度を迎えています。

コロナ禍の中、遠隔で講義を受けられる教育システムは積極的に開発されてきました。
その一方、同じく遠隔で化学実験や分析のような技術を、実際に手や体を動かしながら学べるシステムが
あるかというと、そのようなものはなく、それならばと本校が手をあげ、プロジェクト開発を進めてきました。
今年度も開発を進め、先月12月21日(木)と22日(金)の2日間にわたって、実証講座も実施して検証しました。
その時のブログはコチラをご覧ください。
文部科学省委託事業 ~高校生も一緒にVR実験を検証(2日間)~

この事業で、化学実験のVR化を進め、学生が取り組める環境は構築できつつあります。
一方、指導する我々教員が、仮想空間で実験をしている学生の様子を、リアルタイムで
見ることができないという点が課題として残っていました。

今回の実証講座では、この課題を検証するため「メタバース化」に取り組みました。
メタバース化すると、実験者をアバターという形でVRの中で擬人化します。
併せて、教員もアバターとなって同じ仮想空間(実験室)の中で指導(見学)することができるようになります。

下の写真は、左半分が実験者の視点で、右半分が教員(見学者)の視点です。
分かりにくいかもしれませんが、同じ仮想空間(実験室)の中に実験者と教員が存在し、
教員はリアルタイムで学生が実験をしている様子を見ることができます。
指導する側としても分かりやすく、学生もより現実に近い環境で実験に取り組めた様子でした。
VRとメタバース.jpg

このように着実に実験のVR化は進んでいます。
2月には報告会も予定しており、これまでの成果を発表する予定としています。
その様子もこちらで報告します!

By ぽてと