2024.06.22
本日は食品製造分析実験に取り組んでいる2年生の様子をお届けします。
今回の実験では、酵母菌を用いてアルコール発酵を行うことが目的です。酵母菌には、糖を分解してアルコールを生成する酵素が含まれています。単に酵母菌と糖を反応させて、アルコールを作ってもよいのですが、反応後の液体に酵母菌が混入してしまい、アルコールを回収するのが面倒です。
そこで考案された方法の一つに、酵母菌を水に溶けない球体に閉じ込めるというものがあります。ただの球体ではなく、液体に溶けた糖が通過できる膜から構成されています。球体の中に固定化した酵母菌と膜を通過した糖が出合い、そこで反応が起こることでアルコールが生成します。酵母菌は球体中にあるため、生成したアルコールに混ざってしまうことはありません。その結果、アルコールを効率よく回収することができます。
以上、酵母菌を用いてアルコールを作る、アルコール発酵という反応の概要です。
酵母菌を閉じ込めた色とりどりの球体を作ることができます。見た目が華やかということもあり、学生は楽しそうに取り組んでいますね。
本実験と目的は異なりますが、似た実験として「人工イクラを作ろう」というものがあります。必要な材料はいくつかありますが、本実験と同じくアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムと呼ばれる物質を用います。食用色素を用いることで、カラフルなイクラを作ることもできますよ。
本校は分析化学の知識・技術を身につけてほしいという想いから、実験原理についても理解し、より分析化学の世界を堪能してほしいと考えています。そうはいっても、実験はやっぱり楽しいもの。楽しく実験を行いながら、分析化学を学んでいきましょう。
byナマステ