2024.08.17
本日から第80回目!の道頓堀川水質調査が始まりました。
前日に準備した器材を持って、まずは朝から川の水を採取に行きます。
本校では化学分析の技術を教えるだけではなく、
技術を活かすために必要な実務実践力の醸成にも力を入れており、
その一環として課外活動への参加も大いに推奨しています。
課外活動には学園祭などの学校行事の実行委員会や
サッカー部などのスポーツ系クラブなどとともに、
本校の特徴的な課外活動として環境委員会があります。
そして、環境委員会の活動の中でも最も伝統があり、規模が大きいのが、
今年で21年目を迎えた「道頓堀川水質調査」です。
道頓堀川は大阪のミナミと呼ばれる地域を流れる河川で、
先日まで白熱の試合が繰り広げられたパリ五輪のセーヌ川との比較で取り上げられたり、
昨年は阪神タイガースのアレの時に、飛び込まないように物々しい警戒態勢が敷かれた
ことがニュースになったりしたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
そもそも怪我などの危険性から飛び込むことは禁止されていますが、
道頓堀川の水質は泳ぐことができるレベルにあるかと疑問に思った21年前の先輩たちが
水質調査を行ったことがきっかけで始まり、学生たちが主体となって続けてきました。
2004年に始まった水質調査は今年で21年目を迎え、なんと今回で80回目になります!
これまでの調査結果は本校のホームページで紹介していますので、
「道頓堀川の水質調査」のページをご覧ください。
毎回、道頓堀川の3つの地点で川の水や微生物の採取を行っています。
サンプリング地点に到着した学生たちは2年生の指示の下、
1年生と2年生が協力して、サンプリングを行いました。
2年生が見守る中、1年生が採水に挑戦しています。
採水した後は、その場で測定する項目(水温やpH)を測ったり、
採取した水を測定項目ごとにそれぞれ決められた容器に詰めたりする必要がありますが、
その時も1年生と2年生が協力し合いながら、手際よく作業を進めていました。
採取した水や微生物が実験室に届くと、早速、実験スタートです。
1年生にとってはまだ2回目の水質調査なので、先輩が操作方法を教えながら、
実験を進めていました。
細菌学的検査のためのクリーンベンチ内での操作方法を2年生が説明しながら、
1年生と一緒に実験をしています。
こちらでは吸光光度計という分析機器を用いて、濁度の測定を行っています。
2年生が見守る中、1年生が操作を体験しています。
今回の水質調査では卒業生も来てくれて、後輩の指導をしてくれています。
微生物観察では41期生のHくん(左端)が観察の仕方を説明してくれました。
その後、1年生も顕微鏡観察にチャレンジしていました。
(顕微鏡観察の際はピントを合わせるため保護メガネを外しています)
こちらは化学分析により水の汚れ具合(BOD)の測定を行っています。
ここでは40期生のKくん(右側)が実験操作を丁寧に教えてくれていました。
このように道頓堀川水質調査は準備から採水、実験、実験結果の取りまとめまで、
学生たちが主体となって行っています。
つまり、20年間、先輩から後輩へ技術が伝承されてきたということなのです。
そして、この活動を通じて、同級生はもとより、先輩と後輩の絆も深まっていきます。
水質調査に参加してくれている学生の皆さん、明日以降も実験が続きますので、
楽しみながら、21年目を迎えた伝統の1ページをしっかり記録していきましょう!!
by みなと