せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】色の変化を楽しみながら!分析技術を磨きます!

2024.09.09

本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。

専門学校と言えば、高校卒業すぐに進学する学校と考えて居られる方も多いと思いますが、この学科では、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をするための学科です。もちろん『高校を卒業していること』が入学要件ですので、高校を卒業してすぐに入学してきた学生もおり、今年度は各学年に1名ずついます。
入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している方や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。

平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。そのため近年は資格取得を目的とした方の入学が増えているよう思います。

毎週土日の2日のみの通学で、平日開講学科と同様に2年間で卒業できるようにするため、1日の授業時間数は多くなりますが、それでも他校にはない特徴の学科と言うことで、例年全国各地から学生が入学しています。京阪神地区の学生が多いですが、遠方から週末だけ登校し土曜日の夜は大阪で一泊して日曜日の授業が終われば地元に帰るという生活をしている学生もいます。

今日の1年生は酸化還元滴定という実験手法で鉄を含む化合物中の鉄の含有量の測定を行いました。

この実験には過マンガン酸カリウムという濃い紫色の溶液を使います。少し前に行った中和滴定という実験では酸性やアルカリ性に変化した際に色が変わる『指示薬』という薬品を別途加えましたが、今回はこの『過マンガン酸カリウム』自体の色が変わりますので、指示薬を必要としないのが目新しいようでした。

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この試薬は使用する前にろ過をしなくてはなりません。通常、溶かした後1日ほど放置して、不純物をろ過してから実験に用いるので、M先生がろ過を実演しています。みんな身を乗り出して見ています。

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みんな『滴定』という実験操作はかなり慣れてきたようで、手際よく実験を進めています。また『自分の実験結果が上手く行っている/おかしいんじゃないかな』と感じる力も伸びてきていると思います。おかしいなと思ったら私たち教員に状況を説明して、相談できるようになってきました。最初は『先生、わからへん!』だったのが『こうなるはずなのにならない。原因はこれかなぁ、と思うんですけど』のようになってきました。

自分が行う実験についてしっかり理解し、考えながら実験をすることは非常に大切です。単なるオペレーターではなく、分析技術者になるためには大事なことですね。

来週は分析機器を用いた鉄の含有量の分析です。重量分析、酸化還元滴定、機器分析(吸光光度法)と鉄の分析1つにしても様々な方法があります。それぞれ経験して、原理や特徴を理解し、技術を身に付けていってくださいね。

by ドラいちろう