2024.10.13
本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。
専門学校と言えば、高校卒業すぐに進学する学校と考えて居られる方も多いと思いますが、この学科では、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をするための学科です。『高校を卒業していること』が入学要件ですので、高校を卒業してすぐに入学してきた学生もおり、今年度は各学年に1名ずついます。
入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している方や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。
平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。そのため近年は資格取得を目的とした方の入学が増えているよう思います。
毎週土日の2日のみの通学で、平日開講学科と同様に2年間で卒業できるようにするため、1日の授業時間数は多くなりますが、それでも他校にはない特徴の学科と言うことで、例年全国各地から学生が入学しています。京阪神地区の学生が多いですが、遠方から週末だけ登校し土曜日の夜は大阪で一泊して日曜日の授業が終われば地元に帰るという生活をしている学生もいます。
今日の化学分析学科は1年生2年生ともに実験はなく、一日中座学の日でした。
入学当初は実験はタイヘンだと思っていた学生達も、今では実験の方がリラックスできるのか、座学で座りっぱなしの方が真問ですという声の方が多いように感じます。
今日の午前中は私の担当する機器分析法と統計工学の時間でした。(写真は午後の授業)
機器分析法ではガスクロマトグラフについて学びました。この装置は機器分析化学実験でも使用する機器で、2回後の機器分析化学実験で扱う予定の機器です。この機器の実験ガイダンスも私が担当しているので、ガイダンスでも話した内容も説明していますが、検出器について何種類かの検出器を細かに説明したり、その原理なども細かく説明しました。
ガスクロマトグラフでは、ヘリウムを使用する検出器があります。ただ昨今のヘリウム不足により、この検出器の使用をやめたり、別のガスを使用したりと様々な代替手段が考えられています。教科書にこのような話は載っていませんが、分析機器の展示会でメーカーの人に伺ったり、化学ニュースにアンテナを張っているとそのような情報も入ってきます。
単にテキスト通りに原理の説明をするだけでなく、現在、その分析機器がどのような業界でどのように使用されていることが多いのかなども合わせて説明しています。ちょっとした豆知識なども含めて、それぞれの分析機器の特徴を理解してくれるといいなか、と常々感じています。
by ドラいちろう