2024.11.30
本日は健康化学分析学科と生命化学分析学科(来年度より農水産バイオ分析
学科に名称変更)の定量分析実験がありましたので、その様子をご紹介します!
まず「定量」とは、「混合物の中に目的の物質がどれくらい入っているのか、
その目的の物質を取り出し、量を正確にはかる」ことです。つまり、
混合物から目的のものを取り出し、それを「量を正確にはかる」ことを行います。
本日ご紹介する実験は、鉄の「重量分析」です。この実験では、
ある混合物の中から、鉄を沈殿として取り出し、そこから安定な形に変化させて
その重さをはかることが目的です。
「滴定」という実験では、濃度がわからない目的物質を濃度がわかっている物質
と反応させて、その反応した量から目的物質の量を導き出しますが、
「重量分析」では目的物質の重さを直接量ります。
この実験は2週に渡る実験です。まず1週目は重さをはかるために使う入れ物
(るつぼ)を、「恒量」という状態にするためガスバーナーで熱します。
恒量とは、乾燥して変わらない重さになった状態のことを言い、
正確な重さをはかるために必要な作業です。
同時進行で混合物から鉄を取り出すために、鉄の沈殿物を生成し、
沈殿物を取り出すために「ろ過」という操作を行います。
この鉄の重量分析は、恒量を得るために、るつぼを焼いて重さをはかる操作を質量が
一定になるまで繰り返します。2週目の実験では、恒量になったるつぼに沈殿を加えて、
不要なものを焼いて重さをはかる操作を繰り返します。
作業はとてもシンプルですが、同じ操作を繰り返し行うため根気が必要です。
また、精密天秤で同じ重さになるまで測定するため、丁寧に取り扱うことも修得します。
学生たちは、自分達で作業効率を考えて実験を分担して行い、
前期の実験で学んだことは、教員が指示をしなくてもできるようになっていたりなど、
「分析化学者」として少しずつ成長していると感じることが多くあります。
後期の実験も残すところあと少しとなりました。
学生たちが日々成長していく姿が楽しみです!
byあららん