せんせのブログ

八尾市立曙川南中学校 ~出張実験会~

2025.02.28

先日、2月26日(水)に八尾市立曙川南中学校へ出張実験会に行きました。
大阪の専門学校など約200校で組織される大阪府専修学校各種学校連合会経由で
本校に依頼をいただきました。
出張実験会では「分析化学」という分野を知ってもらう職業体験講座を実施しました。

参加者は25名の中学1年生です。7班に分かれて分析化学を体験していただきました。
開始のチャイムが鳴る直前に生徒さんが、元気に理科室に来られました。
曙川南中学校には毎年出張実験会に呼んでいただいていますが、
「分析化学」は大人気だと教えてもらいました。
いろいろな講座がある中で第一希望として本校の講座を選んでくれました。感謝です!

まずは、働くイメージを持ってもらおうと思い、これから選んでいく「進路」の話をしました。
仕事は「モノやサービスを作る」こと、そして「モノやサービスを売る」ことの大きく2つに分けられると思います。
分析化学の仕事は主に前者の内容です!

まずは「分析化学とは?」をレクチャーします。
モノを細かく分解して、最後に化学の目で確認する分野の技術が分析化学です。

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イメージは持てましたか?
例えば、食品のパッケージに必ず表示されている成分表示は分析化学技術者の仕事の結果です。

今回は、2時限の時間で講座を開催しました。4つの実験から分析化学を体験してもらいます。

1つ目の実験は、「ビタミンCでマジック!」という実験です。
難しい原理は、ひとまず置いておいて、まずは反応を見てもらいます。
色の変化に参加者から歓声が上がりました ♪

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ビタミンCの有無で色が変わる溶液を利用して、身近なものにビタミンCが含まれるかどうかを確認していきます。
班ごとに楽しく作業してもらいました。
色が変わるかどうかを確認するだけではなく、色の変化のスピードなどを各班で確認してもらいました。

色の違いは機械でも判別できます。
でも、変化のスピードの違いや、それがなぜ起こったのかを考えることができるのは人間だけなんですね。
だからこそ分析化学者が必要なんです。色の変化で分析していく実験原理を利用し、中身を明らかにしていくことができます。
化学の奥深さを感じてもらったところで、次の実験に移ります。

2つ目の実験は、「人工イクラを作ろう!」という実験です。
ビーカーの水溶液の中に色付きの液体を垂らすと、液体が混ざった瞬間に色付き液滴が固まります。
色付きビーズの完成です。昆布のぬめりの成分を利用しています。
例えば、ブラックライトで光る成分(蛍光成分)を混ぜておくと、蛍光ビーズの出来上がり!
もちろん、ブラックライトをあてると光ります。蛍光を観察することも分析化学の重要な技術なんです!
食品の中にも、蛍光を発するものがあるので、いろいろ試してみてください。

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この中に、微生物を閉じ込めることもできます。
最近ではこの技術を使って、二酸化炭素を吸収する緑藻類を入れた小さなボールを開発されました。
光合成で二酸化炭素を吸収し、酸素を作る緑藻類をこの人工イクラに入れたのですね!開発に成功したのは、なんと女子高生3人組です!
台湾で開かれた高校生対象の科学の世界大会で、生化学部門の1位に選ばれました!

作ったものが思ったとおりに機能するのかを調べるのも分析技術者の仕事です。
最先端の発明も分析化学技術者が支えています。

3つ目の実験は、「蛍光ペンを作ろう!」という実験です。
蛍光ペンを作ります。

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蛍光ペンは身近な文房具ですが、これもブラックライトで光ります。
楽しいものや面白いものを作り出す仕事でも分析化学が活躍しています。

4つ目の実験は、「納豆で秘密の手紙を書こう!」です。
納豆を水に溶かしたものをインクとして、白い綿棒を使って、絵や文字を書きます。
そこに、霧吹きである液体を吹きかけると、文字や絵が浮き上がる仕組みです。
小学生の時に習う「ヨウ素デンプン反応」を利用した実験です。
その実態は、酵素反応という化学反応です。分析化学の重要な反応です。


ヒミツの手紙を作ってもらいました。上手く書けましたか?
自然の中に、身体の中に存在する酵素を利用した実験技術も分析化学で大活躍しています。

実験を終えた生徒さんからは、「楽しかった!」、「興味がわいた!」、など、嬉しいコメントをいただきました。
詳しい内容やこれまでの実績などはコチラ→ 中学・高校との連携

曙川南中学校の皆さん、ありがとうございました!

By たかポン